【時代はAIロボットアーム!?】Osaroでロボットエンジニアをされている河本和宏さん (後編)

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ビザ問題でカナダに避難!?

編集部:ビザ問題でかなり苦しんだとお伺いしたのですが…

河本さん:大変でした。はじめは直接転職することを模索していたのですが、やはり留学経験もグリーンカードもエンジニアとしてのフルタイムの就業経験も無しということで見つからず…かといってMBA留学やPhD留学にはあまり興味もなくて…

編集部:特にアメリカで就職となると、英語・ビザ・就業経験という三重苦ですもんね(笑)

河本さん:そんな時に、Y Combinator発の「Make School」というアプリ開発者養成スクールがProduct Collegeという新しい学校をスタートすることを知り、創業者の方と日本で会ったんですよ

Make Schoolは実践的プログラミング教育を提供する
サンフランシスコ発のプログラミングスクール

その時に日本のビジネス展開も進めていきたいということだったので、そこで自分を売り込んで、アジア展開を支援する代わりにインターンとしてビザをサポートしてもらって、ついでに学校でスキルも学ばせてもらうことになったんです。

学費は出世払い、創業者と開発者に従来の大学に変わる教育を施す「Make School」の河本和宏さんに取材 –The Bridge

編集部:おお、すごい!その時は何ビザですか?

河本さん:J1ビザ (インターンビザ) ですね。それで、渡米8ヶ月ほどして自分の中で考えていたコンサルキャリアの延長としてのデザインコンサルと、ずっと追いかけてきたロボティクス・AIの道が見えてきたので改めて転職活動を行い、IDEOと自動運転関連のスタートアップからオファーをもらったんです。でも、ここで多くの日本人が苦労するビザ問題にぶつかったんですよね。。。

編集部:どういうことですか?

河本さん:当時、J1ビザからJ1ビザへの切り替えや更新が難しいというのを知らなくて、しかも5月から8月くらいのタイミングだったので、H-1Bビザ (一般的な就労ビザ) の申請時期 (4月) も完全に過ぎていて、唯一残ったのがO1ビザだったんです。。

O1ビザは、科学、芸術、教育、ビジネス、またはスポーツの分野で「卓越した能力を有する者」に発給されるビザ

編集部:まさかのO1のみ(笑)

河本さん:でも今までO1ビザを取ったこともない外国人の若造にビザサポートをするほど2社とも優しくなくて。。。一般的にO1ビザって取るのがすごく難しいと言われているので、そう簡単に取れるものじゃないんです。

編集部:ビザが通らないリスクと申請コストを考えると、企業としては妥当な判断ですよね。

河本さん:そこで「じゃあ自分で会社を作って、そこからO1ビザの申請をすれば良いんだ」ってなって、自分で会社を設立して、それを友達に譲渡して、その会社からO1ビザの申請を行ったんです。

編集部:行動力がすごい(笑)

河本さん:当初は、自分が本当にO1ビザを取れる能力があるのか確かめてみようくらいだったんですけど、色んな方に助けてもらって、幸いなことにそれで通ったんですよ!ところが、O1ビザを持って再度2社に声をかけたら、今度はそのプロセスに時間がかかりすぎたせいで両方からオファーを取り下げられてしまって(笑)

編集部:踏んだり蹴ったりですね(笑)

河本さん:しかも実はもう一難あって、これは完全に移民局側のミスなんですけど、O1申請時、自分はJ1ビザのステータスをキープしたままO1ビザの権利だけを保持するように書類を出してたんですが、システム上のエラーで勝手にJ1ビザからO1ビザに切り替わってしまっていて、いざ別の国からアメリカに帰ってきた時にパスポートコントロールで「君はO1ステータスのはずなのに、なぜO1のスタンプがないの?」ってなって…

編集部:やばいやばい(笑)

河本さん:それで別室に連れて行かれて、そこで事情を説明したら「しょうがない、じゃあ君に1ヶ月だけ猶予をあげるから、それでなんとかしなさい」みたいな感じで1ヶ月だけ猶予をもらって、一応入国はできたんですが、移民局の仕事が遅すぎて1ヶ月では処理が終わらなかったんです(笑)

編集部:出た!移民局仕事遅い問題(笑)

河本さん:そのままアメリカに不法滞在してたら将来のリスクになるので、書類の処理が済んだら連絡して下さいって言い残して、一旦バンクーバーに避難したんです。でもいつまで経っても連絡が来なくて、もしかしたら本気で忘れてるんじゃないかと思って、再度連絡してみたらホントに忘れてたらしく、処理自体は自分が出た2日後くらいに終わってたらしいです(笑) それでなんとか事なきを得たって感じですね。

編集部:かなり波乱万丈ですね(笑)

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