22歳現役慶應生が見たシリコンバレー: 世界最先端のブロックチェーン企業で働いて感じた凄さ

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この記事の所要時間: 327
*この記事は渡辺創太くんからの寄稿です。

現在、ベイエリア(サンフランシスコ、シリコン・バレー周辺)を拠点とした、2017年世界の有望なBlockchainスタートアップ50社に選出され、こちらの記事で2018年注目の世界のブロックチェーン企業8選にも選出されたChronicledでインターンをしている慶應大学3年生の渡辺創太です。

Chronicled Smart Supply Chain Overview

Chronicledとは?

Chronicledは最先端のブロックチェーンとIoTの力で医療、コモディティー、食品、高級品などのサプライチェーンを効率化するソリューションを提供しています。

Chronicled ブロックチェーン×IoTプロジェクトの軌跡 –Chronicled

実力者揃いのチーム!?

ChronicledはCEOのRyan、CMOのSamを始めタレントが揃っています。

CEO(最高経営責任者)のRyanはスタンフォード卒、コンピューターサイエンスを含むDegreeを3つ取り、エンジニアリングのPhDを取り、スタンフォード大学の当時最年少教授。ノーベル経済学賞を受賞したダグラス・ノースから教えを受け、スタンフォードを去った後は、創業し、現在3社目です。

CMO(最高マーケティング責任者)のSamはマーケティングオフィサーでありながらもプログラミングがエンジニア以上にでき、2017年のForbus30 Under 30(Forbus誌の選ぶ世界の30人)にも選出されています。彼女も3社目です。(Samよりスキルが有る人をいままで見たことがないです。)

VP(副社長)のAbhiは元アクセンチュアのブロックチェーン部門のHeadでした。

他の社員も一流大学を出ていたり、以前に起業経験を持つ人が多く、他のもう一人のインド人のインターン生ですらインドの元ゴールドマン・サックス出身でkelloggスクールでMBAを取りに来ており6月からはAmazon本社でプロジェクトマネージャーとして働くようです。

サンフランシスコをベースにした25人ほどのスタートアップで、オフィスにいつもいるのはCEOのRyan始め15人ほどです。毎日彼らとコミュニケーションを取り、彼らと一緒に仕事を進めていく必要があります。仕事を開始した最初の1カ月目のSupervisor(直属のボス)がRyan、2ヶ月目からはSamがSupervisorとなり、2人の間でマーケティングの仕事をしたりデザインをしたりとしています。直近で言えば、SeriesA用投資家向け資料の体裁を整えたり、Blockchain3.0領域の市場機会を調べたり、マーケティング戦略を一緒に考えたり、競合分析をして結果をプレゼンするなどをしていました。

以上の様な経験の中で、CEOのRyan、CMOのSamとコミュニケーションを取る機会が1番多いので刺激を直に受けます。彼らの背中を見て感じること、ベイエリアで働いて感じるものを書こうと思います。

ベイエリアで働いていて感じること

1. CXOの働き方

なによりまず常々学びを受けているのがCEOのRyanの仕事に向き合う姿勢です。スタートアップのCEOということもあり、めちゃくちゃ働きます。社内ではいつもミーティングをしているか、歩きながら電話をしています。出社も早く、他の社員より遅く帰ります。その上で態度に偏りがなくいつもオープンで陽気です。自分の中でのCEO像として目指したいロールモデルです。何気ない挨拶で声をかけてくれたり、「やりたいことはできてるか?」と聞いてくれたり、自分のアウトプットを見てコメントをくれるなど、普段のコミュニケーションを非常に重視していると思います。CEOにとって人間力というのは非常に大切なものなんだなと思います。

そしてもう1つ刺激を受けるのはSamのスキルの高さと知識量です。彼女自身、過去3回の起業経験の内、1つはCEO、2つめはCTO(最高技術責任者)として会社に関わっています。3つ目であるChronicledではCMOです。業界をまたいだ横の知識量とブロックチェーンとエンジニアリング、マーケティングの縦のスキルが尋常ではないです。Chronicledのブログ彼女自身のブログを見ればわかりますが、様々な業界にブロックチェーンを応用する記事を多く書いています。

ベイエリアは彼らを始め、人材の層が非常に厚いと思います。社内を見てもソフトウェアのエンジニアリングスキルは必須のものとなっており、エンジニアリングができる前提で、その上でマーケティングであったり、プロジェクトマネジメントであったりデザインができる人材が、自分の価値を構築できていると感じます。

2. Do What You Love, Love What You Do.

社内でも、イベント(Meetupといいます。)でもいつも思うのは、「みんな好きなことをしている」ということです。自分のしていることに熱中している人、何かを極めている人、指示を待つのではなく、自分から提案をする人が多いです。そういう人からは、現状の仕事への不満であったり、愚痴を聞くことが全くありません。逆に未来への展望であったり、業界での次の機会だったりと意見を求められたり、語ったりすることが非常に多いと思います。

3. For Better

会社で働いていて大きな刺激となっているのは、お金や名誉のためではなく、ブロックチェーンで未来を切り開く、もっとよい世の中にする。社会を変える。という動機づけで仕事に打ち込んでいる人がとても多いということです。なので社内では、いま盛り上がっている仮想通貨の話しは一切出ません。その変わりに話しに出るのはブロックチェーンの新しいアップデートであったり、次の有望なユースケースなどです。それは彼らが一時的な流行や、投機に目を取られているのではなく、ブロックチェーンのテクノロジーとその技術が可能にする未来に熱狂されているからなのだと思います。そういう人達と毎日意見交換をしたり、そこから連想される未来を思い描くのは非常に楽しいです。

4. オーナーシップ

日本に比べタスクの割り振りがプロジェクトベースではなく、個人ベースになっていると思います。なので、日頃から働き方、時間管理などが自由なので、個人がオーナーシップを持ちやすい環境にあります。出社時間、退社時間はなく、好きな時に来て、好きな時に帰る。仕事を完了することができればオフィスにいる必要すらありません。なので11時ごとにふらっとオフィスに現れる人がいたり、15時くらいに帰宅する人もいます。

5. 仕事のスピード

よく言われることですが、日本の企業と比べ、仕事のスピードはとても早いです。ベイエリアでは、Done is better than perfect.(完璧を目指すよりもまず早く終わらせろ)とよく言われますが、1つの資料を完成させるにしても、まず終わらせる。その上で、顧客にプレゼンをしたり内部から意見をもらい修正を重ねていくプロセスをたどることが多いです。

6. アントレプレナーシップ

普段からイベントで会う人や社内の人達を見ても、過去に起業経験のある人や、スタートアップを始める準備をしている人が一杯います。会う多くの人が、次のアイデアや人材を探しています。スタートアップを始めるにあたっての障壁がとても低く、まわりを見渡せばスタートアップで成功しているロールモデルがそこらじゅうにいる環境なので、アグレッシブな人が非常に多いと思います。

まとめ

ベイエリアで働いてみて1番の変化は自分の「ものさし」が変わったことです。1つのドキュメントのアウトプットにしても、スピード感にしても、物事の考え方にしても、要求されるレベル感にしても基準が大きく変わりました。日本にいた時は基準が他の学生であったり、インターン先の企業内で見たものであったり、あくまで日本の範疇を出たものではありませんでした。幸い、Chronicledの人材は、ベイエリアで見ても、世界で見てもトップクラスだと思います。人生は一度きりなので、せっかく生きるならより高みを目指したいです。彼らの基準を自分の当たり前にし、彼ら以上のプレゼンスを社会の中で発揮できるように、毎日努力していきたいと思います。

今の自分の目標は30歳までに今の上司達を超えることです。その為には今以上に頑張らなければと思います。

寄稿者情報

 渡辺 創太
(わたなべ・そうた)
1995年4月26日生まれ。2015年慶應義塾大学経済学部に入学後、インド、ロシアで1ヶ月半ずつ海外インターンシップを行う。帰国後、NPO法人ETIC.で3ヶ月のインターン、VALUENEX株式会社で6カ月、SoftBankRoboticsで6カ月のインターンを経験。ブロックチェーン、AIに関心がありシリコン・バレーに渡航。現在は、留学をしながらクラスの一環としてサンフランシスコのブロックチェーンスタートアップであるChronicledでインターンシップをしている。

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