約束の場所、アメリカ。33歳で渡米した脱サラ/カリスマ美容師が語る『わらしべ長者物語』

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本日のゲストは、全米で5店舗ヘアサロンを展開する『VIANGE HAIR』のヴァイスプレジデント (VP) 永田明成さんです。

脱サラして美容師に転身した過去を持つ永田さんが、なぜアメリカに渡り、「VIANGE HAIR」を立ち上げることになったのか。その裏に隠された「お客さんとの約束」とは何か?33歳で渡米し、顧客ゼロ・オーナーの逃亡・英語の壁という三重苦を乗り越えた男の『わらしべ長者物語』に迫る!

▼本記事の内容
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・多店舗展開のコツは「接点」
・日本とアメリカ / 異なる美意識
・約束の場所「アメリカ」
・結果を出せば認めてくれる社会
・コーディングができる美容師
・今後の展開 / 野望
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永田 明成 (Akinari Nagata):
1978年生まれ。高卒でキッチン用品メーカーに入社。20歳の時に脱サラして美容師に転身。東京、名古屋を中心に美容師の経験を積む。お客さんと交わした約束を果たすため、2011年、当時33歳で渡米。2013年に「VIANGE HAIR」を立ち上げる。現在はヴァイスプレジデントとして全米5店舗の運営・管理を行なっている。

多店舗展開のコツは「接点」

編集部:今はどんなことをされてるんですか?

永田さん:サロンの運営から人材の採用、ヘアーカットまで全部ですね。あと、店舗が立ち上がる度にその店舗のオペレーションをチェックしたり、店長を採用したりしてます。

編集部:たしか全米で5店舗あるんでしたっけ?

永田さん:そうですね。ベイエリアに4店舗、あとテキサスのダラスに1店舗あって、1年に1店舗ずつ増えてる感じです。なので、もともとは2013年に3人で始めたお店なんですが、今ではスタッフも30人くらいになりました。

サンフランシスコを中心に全米に5店舗展開する「VIANGE HAIR

編集部:おお、かなり成長してますね!でも、そういう複数店舗の管理って大変じゃないですか?

永田さん:やはり遠隔になればなるほど目を離してる時間が長いのと、僕自身が全店舗で一番売り上げを上げているので、忙しくて時間がないんです。髪を切ってる時間は電話もできないし、テキストもできないので。

だから、このApple Watchがすごく便利なんですよね。メール、テキスト着信の内容がさりげなく確認できて、折り返しの電話や返信の必要があるかの見極めが瞬時にできるので。たぶん、僕ほどApple Watchを重宝してる人もいないと思います(笑)

編集部:たしかに普通の人だとスマホを見る時間があるけど、美容師だと両手がふさがってますもんね。

永田さん:あと返事もオートでできるので。

編集部:じゃあ美容師の方はぜひApple Watchを(笑) 、、、という宣伝はさておき、やはり時間が大事ということですね。

永田さん:そうですね。特にテキサスの場合、時差が二時間あるのでかなり大変なんです。向こうは朝礼が9時半なんですが、その時間だとこっちは朝の7時半なので寝起きで出れないし、夜は僕が21時くらいまで働くので、その時間に電話しようと思うと今度は向こうが23時でもう閉まっているので。

編集部:それどうしてるんですか?

永田さん:最近は向こうの朝礼とか終礼を録音してもらって、それを通勤中に聞いてますね。それを聞いて、僕もコメントを残すみたいな。だから、できるだけ時差があっても接点は持つように心がけてます。

あと、今は「ChatWork」のようなコミュニケーションツールを色々と試してて、その辺のツールも社内でしっかり統一したいなと思ってます。

編集部:じゃあ、色々と試行錯誤しながら距離的なギャップを補っていると。

永田さん:そうですね。ただ、現場のマネージャーたちがすごく責任感を持ってやってくれているので、かなり安心して任せれてます。

編集部:店舗が増えると店舗間での意思統一も大事になって来るのかなと思うのですが、そこに関して気をつけていることなどありますか?

永田さん:意思統一はすごく大事ですね。やはり我々のブランドを作っていかなければいけないので、お客さんにとってどういうサロンであり、美容師であり、会社であるのかというのを常に考えるようにしてます。なので、そこは個々でバラバラにならないよう気をつけてますね。

編集部:ビジョンの共有は大事ですよね。

San Francisco店は、Powell駅やUnion Squareの近くにある
(11 Tillman Place, 3rd Floor, San Francisco, CA 94108)

日本とアメリカ / 異なる美意識

編集部:こっちの人ってあまり髪にお金をかけないというか、特に男性だと安いところで手軽にパッと済ませる印象があるんですが、日米でヘアサロンの市場感に違いってあるんですか?

永田さん:たぶんその感覚は日本から来た日本人の感覚で、僕も最初はそう思ってました。でも実は全然違っていて、短いけどミリ単位でこだわる人も多いし、2-3週間に1回切りに来る人も多いので、それを年間のコストにしたら結構お金はかけてますね。

女性もほとんどの方がカラーしてますし、それにハイライトもするってなると軽く200-300ドルはするんですよね。やっぱり日本で2-3万円かける人ってそんなにいないじゃないですか。だから、これは白人の方だけじゃなくて黒人の方も含めてですが、美容に時間とお金をかけている人は多いと思います。

編集部:じゃあ、日本人とは時間とお金のかけ方が違うと。

永田さん:そうですね。平均的に見たら、日本人の方が美容に時間とお金をかけてるとは思うんですが、アメリカだと、ヘアカット300ドル、カラー500ドルの計800ドルにチップを乗せて1000ドル (10万円) 近く払う人もいるので、そういった三角形の頂点が高いというか、上に飛び出てくる度合いがすごいですね。だから、一概に日本人の美意識が高くてアメリカ人は低いっていうのは違うなって思います。

編集部:そこは人にもよると。ちなみに、こっちだと色んな人種の人がいて、それこそ白人、黒人、アジア系で髪質も違うし、理想とするヘアスタイルも違うと思うんですが、そこはどうやって対応してるんですか?

永田さん:そこはある程度お店単位で得意不得意がありますね。

編集部:このお店はこういう特徴があるとか、こういう人が強いとかですか?

永田さん:そうです。例えば、僕がアメリカに来て最初に入ったお店だと、従業員に黒人も白人もメキシカンもチャイニーズもいたので、かなり幅広く対応できてましたね。

でも、僕がこっちで勝負しようと思ったら、日本人だけを切っていても全然足りないので、できるだけ幅広くやっていこうとは思ってます。

編集部:じゃあ、もうどんな人種のどんな髪質の人でもやっていこうと。

永田さん:ただ、黒人さんの編み込みの技術だけは求められるスキルが違いすぎるので難しいです。しかも僕以外にものすごいスピードで安くできる人がいるので、それを僕が頑張ってやっても、高くお金を取るか、時間をかけて安いお金でやるしかないんですよ。時間がかかるとお客さんも嫌だと思うので、そうなると僕のやるところではないなと。

編集部:そこは得意な人に任せると。

永田さん:白人さんはやるんですが、髪質以前に育った環境とか文化が違うので、日本の髪型とか切り方をやっても当てはまるわけがないんですよね。なので、そこら辺はかなり勉強していて、情報は常にキャッチアップしてます。

編集部:どういうものが流行っていて、どのセレブがどんな髪型なのかとかですよね。

永田さん:そうですね。だから、「アメリカでやる = 日本も含めて世界中の人を相手にできないといけない」っていうのを学びました。

店内はおしゃれな雰囲気で、スタッフはみんなフレンドリー

SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はSylvatexというサンフランシスコ市内にあるグリーンケミストリー系のスタートアップでインターン中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

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