【時代はAIロボットアーム!?】Osaroでロボットエンジニアをされている河本和宏さん (前編)

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刺さらなかった就職活動?

編集部:初めは外資系戦略コンサルのArthur D. Little (ADL) に就職されたとのことですが、その背景をお伺いしても良いですか?

河本さん:就職の時は技術が関わる経営の道に行くか、もしくは新しいものを作る道に行くかでホントに迷いました。ただ、ADLは元々技術者が始めたコンサルティングファームということもあって、社員の技術に対する理解がめちゃくちゃ深かったんです。あと、日本だと製造業向けに新規事業の支援をしていて、自分にはすごくピッタリだなと思いました。

編集部:面白そうですね。

河本さん:それでADLからオファーをもらったんですが、やっぱり物を作る側も見てみたいということで、実は一度オファーを断ったんです。それでメーカーの面接の時に、「自分はこの技術を使ってこういう新規事業をやりたいです!」みたいなことを言ったら、全然刺さらなくて…(笑)

編集部:あれ、刺さらないんだ(笑)

河本さん:刺さらなかったですね(笑)  当時は2011年で景気もそんなに良くなくて、まだまだ保守的な風潮があったので…

編集部:新しい事業で攻めるというよりは如何に既存の事業を守るかだったわけですね。

河本さん:だから、別にその会社を批判するわけではなくて、単純にタイミングが悪かったのかなと思います。もちろん、その時に入っていたら脂が乗ってきた2-3年目に何かできたかもしれないですけどね。ただ、ある電機メーカーの場合「新規事業やりたいならマーケティングの方だね」ってエンジニアからマーケティングの採用コースに変えられて、「まずは2年間営業所に行ってもらえるかな?」って言われて…

編集部:まさかの(笑)

河本さん:でもそこで「いいとも!」みたいな感じにはならなくて(笑) そんな時に継続的にコンタクトを取っていたADLの人に近況を報告したら改めてオファーを下さって、それでADLに入ることにしました。結果的にはすごく良い会社でしたね!

編集部:中途の人だと技術サイドから経営コンサルに転職する人もいるけど、新卒でそれを考えている人はあまりいないだろうからADL側としても欲しい人材だったわけですね

外資系戦略コンサルで新規事業立案

編集部:ADLに入ってからはどんなことをされたんですか?

河本さん:大企業の社長とか経営層が次の事業を考える時って、例えば今後30年の間に何が世の中で重要になるかというメガトレンドを予測した上で、そこにハマるような新規事業を考えていくわけですよ。なので、ADLではそのトレンド予測とそれに基づいた新規事業立案をやってましたね。

編集部:長期的な目で物事を考えていくわけですね。

河本さん:逆に研究開発はたくさんしてるけど、それがなかなか新規事業に繋がらないというところに対しては、実際に現場にいる研究者一人ずつに話を聞いて、その技術が市場でどういう価値になるのかを経営者にフィードバックしてましたね。

編集部:たしかに、そこは技術者だけでは難しいところですよね。

河本さん:もちろん外資系なので、お客様が海外進出をしたい場合には、実際に東南アジアとかの現地を回ったり、あとは企業の価値評価みたいなのをExcelでバンバンやったりもしてましたね。

編集部:いわゆるデューデリジェンスですね

デューデリエンス (Due Diligence) とは、投資を行う際に本当にその投資対象に十分な価値があるのか、またリスクはどうなのかを詳細に調査する作業

河本さん:そうですね。ADLが技術系の戦略コンサルということもあって、半導体とか電機業界の物凄くテッキーな企業のデューデリ案件が多かったので、面白かったです。

編集部:素人質問なんですが、戦略コンサルと市場調査会社ってどう違うんですか?

河本さん:例えば10年後にこういうニーズが出るだろうから、こういう事業をやらないとっていうのは誰でも分かるんですけど、それってどこの会社にも当てはまる話なので、それはまだ市場調査会社の域を出ないんです。

編集部:なるほど。

河本さん:それを各社に合ったやり方まで落としていって初めて戦略になるんです。それはその会社が持っている技術シーズであったり、ビジネスモデルであったり、あとは得意なビジネスパターンや風土とかですね。そこと新しいビジネスが本当に合うのかどうかを上手く見極めて、ここのバリューチェーンは取れそうだけど、ここはダメだから他社を捕まえようとか、そういう議論をするのがいわゆる戦略コンサルの仕事です

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