日本人エンジニアが3ヶ月間のインターンから体感した「シリコンバレーでの働き方」

この記事をシェア!

この記事の所要時間: 238
*この記事は松木久幸さんからの寄稿です。

はじめまして。NTTレゾナントの松木と申します。普段は「NTT-X Store」というECサイトの開発・運用をしているエンジニアです。

当社には、「短期海外派遣プログラム」という人材育成制度がありまして、約3ヶ月間、シリコンバレーを中心とする企業でのインターンシップを体験することができます。私はこの制度を使って昨年末にシリコンバレーのスタートアップ企業へエンジニアとして、インターンをしてきました。

今回はそこで体験したシリコンバレーのスタートアップでの働き方についてお話したいと思います。

▼本記事の内容
ーーーーーーーーーーーーーーーー
・まさかの社員全員が残業なし
・共通認識としてあるタイムイズマネー
・晩ごはんは必ず家族とともに
・育成は日本の方が進んでいる?
・そして、僕が会社で実践していること
ーーーーーーーーーーーーーーーー

松木 久幸 (Hisayuki Matsuki):
NTTレゾナント株式会社デジタルマーケティング事業部コマース部門EC担当。年間100億円を超える売上規模のECサイト「NTT-X Store」の開発・運用業務を担当。

まさかの社員全員が残業なし

まずは、私のインターンシップ先の企業を紹介します。ECサイト向けにマーケティングツールを提供している企業で創立してまだ1年も経っていませんでした。

メンバーは当時、社長を含めて5人というスタートアップの中でも比較的アーリーステージにいる会社でした。私はこの会社に3ヶ月の間、エンジニアとして働くことになりました。

就業初日から一番驚いたのが彼らの業務時間です。シリコンバレーのIT企業、特にスタートアップは昼夜通して働くものという先入観がありました。ところが実際の業務時間は10:00~17:00で、残業は誰一人しないというものでした。

さらにいうと、この会社だけが特別ではなかったのです。この会社はスタートアップ企業が集まるコワーキングスペースにあり、そのコワーキングスペースには数十のスタートアップ企業が集まっているのですが、他の会社の社員も夕方には全員が帰っていたのです。

どんな規模でも、どんなステージでも、全ての会社が夜にはオフィスがすっからかんになっていました。

もっとも衝撃的だったのは、同僚に「日本人は働きすぎだよ(笑)」と言われたことです。彼らの方が1人に対しての業務量は圧倒的に多いと感じるのですが、なぜ彼らは残業しない働き方ができているのでしょうか。

共通認識としてあるタイムイズマネー

まず、シリコンバレーでは時間に対してではなく、結果に対して給料が払われています。そこが日本企業との大きな違いです。オフィスに残っている社員が頑張っていると思われる風習もそこにはないので、金銭的にも、同僚へのイメージ的にも残業する意味はないのです。

さらに現地で僕が感じたことは、社員全員が時間やコストに対する意識が強いということです。たとえば、エンジニアでもプロダクトの技術レベルを高度にするということよりも、今のリソースで何ができて、何をすべきかを意識して働いていました。

テクノロジストというよりもリアリストだったのです。ロジックやアルゴリズムを追及するよりも、時間やコストを考慮してその中でどれだけ合理的な進め方ができるかが常に優先されていました。

その考え方を合わせるために会社で行われたのが対面でのコミュニケーションです。シリコンバレーに行く前までは、チャットツールでのコミュニケーションが主体になっているかと思っていたのですが、意外と「みんなで話そう」という空気が重要視されていました。

短い時間の中で意識を合わせないといけないので、コミュニケーションは密にとっていこうという風土がありました。

これらの考えが社内の共通認識としてあるので、時間への意識も強く、17時に全員が帰るということができているのだと思いました。

インターン先のCEOとディスカッションする様子

晩ごはんは必ず家族とともに

また、夕食は必ず家族とともにするという文化も定時退社が当たり前になっている要因だと思います。僕の同僚も全員が夕食は毎日家族ととると話していました。

「仕事よりも家族を優先する」ことがアメリカでは普通で、家族と過ごす時間が前提とされた働き方になっているのかと思います。そういった文化的な面も、労働時間に大きく影響しているのかなと感じました。

育成は日本の方が進んでいる?

ここまで、シリコンバレーは“労働時間への意識”が進んでいると説明してきましたが、一方で日本の方が進んでいるなと思ったこともあります。それは社員の育成制度です。

シリコンバレーには、エンジニアの育成制度などはほとんどありません。ランチやマッサージ施設も無料などといった福利厚生はあるのですが、それは即戦力を引っ張ってきたいからで、戦力とみなされない時点で切り離されてしまいますので。

シリコンバレーのエンジニアと話してみると、どうやら人の能力を伸ばす制度は日本特有のものでした。実際にシリコンバレーのエンジニアも、3ヶ月間海外のスタートアップでインターンするという制度の話をしたときに「めちゃくちゃいい制度じゃん!」とびっくりしていました(笑)

その面では日本は非常に進んでいると気づきましたね。日本のテクノロジー企業におけるエンジニア育成施策は充実しているなと思いました。

現地のハッカソンに参加した時の様子

そして、僕が会社で実践していること

シリコンバレーの働き方は制度的の充実よりも、むしろ社員の意識から生まれているものだと感じました。時間的に制限がある中で、共通のゴールに向かって何ができるかを社員それぞれが自律して考えられるチーム作りこそが、シリコンバレーの働き方への近道だと思っています。

そのために、僕が日本に帰ってきてから、チームのメンバーがそれぞれ自律して考える場を作るように心がけています。

全員が課題に対して当事者意識を持つことができるように会議などでのコミュニケーションの取り方を変えることで、課題に対しての解決意識も統一させることができるようになりました。これを続けていくことで、チーム自体の働き方も変えていければと考えています。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

SiliconValleyWorkers 編集部です。シリコンバレーやサンフランシスコで働く日本人を取材して、キャリア観や価値観、シリコンバレーに来た経緯などを発信していきます。寄稿や運営に興味がある方は、Facebook、Twitter、Slackよりご連絡下さい!

スポンサーリンク
Simplicityのレクタングル大