スタートアップの聖地『シリコンバレー』で挑戦する日本人若手起業家

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この記事の所要時間: 633

こんにちは、編集部の武井です。

インタビュー記事が続いて久しぶりのコラム記事となりますが、今日は以前からずっと書きたいと思っていた「若手起業家まとめ」を書いていきます。シリコンバレーで活躍する日本のスタートアップというとメルカリなどを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は20代や30代前半でシリコンバレーで挑戦している日本人の起業家もいるのです!今日は日本人起業家が運営しているサービスの概要や、起業家たちがシリコンバレーに至るまでの経歴等をご紹介していきます!

▼本記事の内容
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・『Anyplace』 内藤聡さん
・『Pod Room』 田中優祐さん
・『Rame Hero』 長谷川浩之さん
・『Cosme Hunt』 高橋クロエさん
・『Fond』 福山太郎さん
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『Anyplace』 内藤聡さん

内藤さんのMediumより引用

内藤さんは『Anyplaceというホテルを賃貸として借りて住むことができるサービスを運営しています。アメリカに住んだことがある方はわかるかと思いますが、アメリカでは賃貸でも1年契約を求められるケースが多く、契約期間内に解約する場合には違約金が発生したり、代わりの入居者をCraigsList等で自分で探したりする必要があって、家探しがものすごく大変なのです。またこれは日本でも同様ですが、水道や電気、インターネット等も変更の手続きも必要なので、引っ越しにかかる手間や時間はとてつもないストレスになります。

そんな課題を解決するのがAnyplaceで、「ホテルに住めば契約や引越しの面倒な手間が一切かからない。なら月額の家賃を払ってホテルに済めばいいじゃん!」という発想から生まれたサービスです。内藤さん自身のブログによると、”「人々の行動/思考の変化」という点では、Airbnbが宿泊(Stay)と居住(Live)の境目を曖昧にしたことが我々にとっての機会であると考えています。Airbnbのユーザーが「宿泊するのって、別にホテルじゃなくて、人の家でも良いじゃん」と考える一方で、逆に「住むのって、別に家じゃなくて、ホテルでもいいじゃん」と思える人が存在するのではないか。”とのことで、Airbnbの登場以降、人々の価値観やニーズが変化している部分に注目してサービスを作っているようです。

個人的にもアメリカに来てから1年間で2回ほど引っ越ししましたが、「アメリカの家探しってなんでこんなに面倒で不便なんだ? てか、イノベーションの聖地と呼ばれるシリコンバレーなのに、賃貸に関するイノベーション全然起きてなくない?」という疑問をずっと持っていたので、Anyplaceのように賃貸の選択肢が増えるサービスは非常にありがたいと感じています。ホテルに住むというとすごく値段が高そうなイメージですが、月1,320ドルから利用可能ということで、サンフランシスコ市内であれば普通に家を借りるのと変わらない、むしろ安く住めるくらいという金額感になっています。ホテルとしても稼働率を安定して高めることができるメリットがあるため、このような価格帯を実現出来ているのだと思います。

AnyplaceはUberの初期投資家でもあるJason Calacanisが行うアクセラレーターに合格するなど、現地の投資家からも注目されているサービスです。内藤さんは今のサービスに至るまでにTechWatchというメディアやスタートアップ向けのシェアハウスの事業を行っており、様々な苦労を経て現在に至っています。この辺りの話は内藤さん自身のブログに詳しく書かれているので、興味がある方はぜひこちらの記事をご覧いただけると幸いです!

▼内藤さんが気になった方はこちら

『Pod Room』 田中優祐さん

田中さんのMediumより引用

田中さんはサンフランシスコで『Pod Roomというカプセルホテルの事業を運営しています。アメリカには日本のようなカプセルホテルという形態の宿泊施設は存在せず、都市部であっても日本の漫画喫茶など手軽に安く宿泊できる選択肢はほとんどなく、モーテルがあったとしても立地や治安が良くないケースが多いといった問題があります。またカプセルホテルのように1人でも安く泊まれる場所としてユースホステルがありますが、ユースホステルは8人以上などの複数人が同じ部屋に滞在し、個人のプライベートスペースはベッドのカーテンの仕切りのみといった形でプライバシーがあまりないのです。僕も以前1人旅をした際にユースホステルに泊まりましたが、荷物が盗まれないかといった不安や周りの物音が気になるといった感じで、安心してぐっすり寝ることができなかった記憶があります笑

そこでPod Roomが提供してるのが、立地のよい場所にプライバシーが確保されたカプセルホテルを提供するというサービスです。現在、Pod Roomはサンフランシスコ市内の中心部と言われるUnion Squareから徒歩2分の場所でサービスを提供しています。一泊80ドルからなので値段はちょっと高いように感じるかもしれませんが、Union Squareの近くは一泊200ドル程度するホテルが多いので、相場を考慮するとかなり格安だと思います。1人で旅行をする際には、ホステルよりもリッチでプライバシーが確保されたカプセルホテルという存在があるのは嬉しいと思います。最近はアメリカでもAirbnbなど宿泊の選択肢は増えてきていますが、まだまだイノベーションの余地がある領域だと思うので、カプセルホテルに注目したPod Roomの挑戦はとても面白いと思います!

田中さんは元々日本で神戸大学在学中にCyberAgent Venturesの日本法人でインターンを経験していました。2015年に大学を卒業後、滋賀県の古民宿2軒の再生を行い、その後CAVの米国オフィスインターンとして渡米し、2016年8月にPod Roomを運営するRestUp社を創業したそうです。また2017年にはYコンビネーターのStartup School Founders Trackプログラムにも参加されており、その時の学びを自身のブログに書いてくださっています。

サンフランシスコに出張で来られる方(特に予算を抑えたいスタートアップの方々!)は、ぜひPod Roomの利用をご検討してみてください!

▼ 田中さんが気になった方はこちら

『Rame Hero』 長谷川浩之さん

長谷川さんのLinkedInより引用

長谷川さんは『Ramen Heroという自宅で調理して食べることができるラーメンをECで販売するサービスを運営しています。サンフランシスコは今ラーメンブームとも言えるほどラーメンが大人気で、日本で塚田農場を運営するAPカンパニーが出店する「Nojo Ramen」や、日本でも有名なチェーン店である「一風堂」など、実力のあるラーメン屋さんが続々と出店しております。美味しいラーメン屋さんがあるなら別に宅配ラーメンが無くてもいいじゃないかと考える方がいるかもしれませんが、サンフランシスコでは日本食が人気なこともあって、ラーメン一杯がチップ等も含めて2000円近くとめっちゃ高いんですよね、、、 しかも日本みたく普通のスーパーには家で調理できるラーメンはあまり売ってないので、手軽にラーメンを食べる手段がないのです。

Ramen Heroが提供しているラーメンは1杯10ドル程度と手軽な価格にも関わらず、カップ麺とは違って自分でスープを温めたり麺を茹でる調理の行程を経るので、お店と同じくらいのハイクオリティのラーメンが自宅で食べれるようになるわけです。アメリカではこういった料理の素材を送って自宅で調理をするミールキットと呼ばれるジャンルのサービスが流行っており、有名所だとBlue Apronのようなサービスがあります。

なぜミールキットが流行ってるのか?アマゾンや既存スーパーも参入し、2018年さらに盛り上がる予感 | Be Magnetic!

Ramen Heroはまさにラーメン特化型ミールキットといえるサービスで、ラーメンというニーズが高まっている商品を、ミールキットというトレンドの手法を用いて提供しているのはとても面白いと思います。またRamen Hero共同創業者梶谷さんのインタビューによると、”アメリカのお客さんにとって、ラーメンはホームパーティーのメニューなんですね。友人を呼んで自宅でラーメンパーティーを開催する人が多いです。こちらでは、ラーメンはおしゃれな食文化なので、食通のミレニアル世代に販売することがほとんどですね。”とのことで、顧客層が日本とは違っている点もカルチャーの違いを反映していて面白いなと思います。

【日本発!起業家の挑戦】サンフランシスコの食通にラーメン通販 | SankeiBiz

長谷川さんは2013年東京大学在学中にラーメン店の立ち上げをしたり、卒業後は東京でオンラインファーマーズマーケット事業に創業メンバーとして関わるなど、渡米前から飲食系の事業に携わる仕事をされていたそうです。実際に現地で暮らしていると、アメリカ人や他の国の人からも日本食やラーメンは根強い人気があるなぁと日々感じているので、Ramen Heroの今後の展開がとても楽しみです!

▼長谷川さんが気になった方はこちら

『Cosme Hunt』 高橋クロエさん

クロエさんのnoteより引用

クロエさんは日本化粧品のキュレーションプラットフォームである『Cosme Huntというサービスを運営されています。Cosme Huntは主にアメリカを中心とした海外に向けて、日本の化粧品の情報を発信しており、元々は海外のユーザーから「日本の化粧品に興味があるのにどうやって使ったらいいかわからないし、人気の商品がわかりにくい」といった声を聞くことが多かったことからサービスを始めたそうです。

アメリカの人は日本の化粧品には興味がないんじゃないかと思う方がいるかもしれませんが、実はアメリカでは今アジアのコスメブームのようなものが起きていて、徐々に注目度が高まっているのです。その一例として、韓国コスメがアメリカでは大人気になりつつあって、大手の化粧品ストアやターゲットのようなスーパーで韓国コスメだけの専用のブースやポップアップができたりしているそうです。Cosme Huntがやろうとしていることは、ジャパニーズビューティーを韓国コスメに負けないくらいメジャーなものにしようという取り組みで、日本のカルチャーを世界に広めようという非常にワクワクする挑戦だと思います!

クロエさんは、日本で広告系ベンチャーで営業として働いた後に、アメリカに渡ってY Combinator卒業生が創業したMake Schoolというプログラミングブートキャンプに日本人初の生徒として参加し、その後UI/UXデザイナーとして仕事をされていたという幅広い経験をお持ちです。また、シリコンバレーで盛り上がっている小売や美容領域のスタートアップ・投資家向けのイベントである”BeautyTech MeetUp”を日本で初めて主催するなど、クロエさんは美容関連のスタートアップコミュニティ作りにも精力的に活動されております。

4月13日(金) BeautyTech Tokyo MeetUp vol.1がアイスタイルで開催![istyle 株式会社アイスタイル]

クロエさんは当メディアでも以前にインタビューをさせていただいたので、もっとクロエさんのことを知りたい方はこちらの記事もご覧ください!

▼クロエさんが気になった方はこちら

『Fond』 福山太郎さん

福山さんのLinkedInより引用

福山さんは『Fond(2017年に社名をAnyPerkから変更)という、新興企業向けに福利厚生のアウトソーシングサービスを提供するサービスを運営しています。Fondの福利厚生サービス「Perks」は、社員1人当たり毎月5~10ドルを支払うことで、顧客企業の従業員がケーブルテレビや携帯電話などのほか、映画館やショッピングセンターなどで15~30%程度の割引を受けられるというもので、米国の福利厚生サービスの中ではトップシェアにまで成長しています。Perksのユーザー企業はその半数が米国西海岸のテック企業のようで、人材競争が激しいシリコンバレーでは各社が福利厚生の充実化を図っているのですが、自社で無料の社食やジムを用意できるGoogleのような一部の大会社と違って、規模が小さいスタートアップでは自社で福利厚生を充実させるのはコストがかかるためPerksのような福利厚生サービスのニーズが高いのだと思います。

また、現在は福利厚生サービスのPerksに加えて、社員の承認・表彰サービスである「Rewards」や、従業員のエンゲージメントサーベイを無料で手軽にできる「EngagementIQ」といったサービスを展開しており、HR領域の中でも従業員のエンゲージメントをどのように高めていくのかという課題を解決するための様々なプロダクトを提供しております。人材の流動性が高いアメリカでは、従業員の満足度が低いとすぐに人が辞めてしまうため、Fondが提供しているサービスのニーズはとても高いように思います。

福山さんは、AirbnbやDropboxを生み出し、世界で最も有名なスタートアップアクセラレーターである「Y Combinator」の日本人初の出身者としても知られています。渡米時はあまりにお金がなくてタコベルの駐車場にミニバンで住みながらサービス開発をしたり、通訳と称して潜入したTechCrunch DisruptでYコン創業者のポール・グレアムに出資を直談判するなど、マンガに出てくるレベルの破天荒なエピソードを数多く持つ福山さん。いまやシリコンバレーで最も有名な日本人起業家と評されることもある福山さんの活躍に今後も目が離せません!

昨年、SF市内のイベントにてお会いすることができました!

▼福山さんが気になった方はこちら

  • 福利厚生サービスを米国で展開するAnyPerkが社名をFondに変更、無料の会社文化測定サービスも展開 | TechCrunch Japan
  • 「お前、おもしろいからウチに来い」 ホームレスから日本人初のY Combinatorへと転身した起業家の壮絶人生 | ログミー
  • 福山さんの Facebook / LinkedIn

まとめ

今回はシリコンバレーで活躍する20代、30代前半の若手起業家を紹介しました。

改めてまとめてみると、日本人の視点を持つから気づいたアメリカにおける課題感に取り組むサービスが多いなと感じていて、自分自身の違和感を見逃さずにそれをビジネスを通じて解決するというのは起業をする上でとても大切なんだなと思いました。日本で成功してからシリコンバレーという発想ではなく、最初からシリコンバレーで勝負をするという彼らの姿勢はとても刺激的ですし、多くの方のロールモデルになるんじゃないかと思います。

SiliconValleyWorkersでは、今後もこうしたワクワクするような面白いチャレンジをしている日本人の活躍をお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願い致します!

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(記事作成: 武井勇樹 / 画像・体裁: 中屋敷量貴)

1990年6月8日生まれ。埼玉県川口市出身。
2013年、一橋大学商学部経営学科卒業。株式会社SpeeeにてSEOやWebマーケティングのコンサルティング等に3年半従事したのち、イノベーションの最先端であるシリコンバレーでチャレンジしたいと考えて渡米。現在は、UC Berkeley Extensionにて経営とプロジェクトマネジメントを専攻。
座右の銘は「やらぬ後悔よりやった後悔」。

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