シリコンバレーのおしどり夫婦が実践する『目標共有ノート』#ミレニアル世代の夫婦円満術

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この記事の所要時間: 1154

会社というモンスターに悩むミレニアル世代。「早く自由になりたい」業界人間。

AI・ブロックチェーン・VR/ARといった科学技術が発達する今、場所に依存せず好きなことをやり続ける生き方が注目されている。しかし、自分のやりたいことを優先しすぎて、大事な人をないがしろにしてしまっては本末転倒である。

海を渡ったシリコンバレーに、理想の夫婦像を体現する二人がいる。『チョコラテ』CEOで小説家でもある今井みさこさん (みささん) と、『メルカリ』サンフランシスコオフィスでAndroidエンジニアをされている今井智章さん (ともさん) だ。

お互いのやりたいことを最大限に尊重し、夢に向かって邁進する今井さん夫婦に『ミレニアル世代の夫婦円満術』を伺った。

▼本記事の内容
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・場所に依存しない働き方
・健康的な生活がアウトプットを高める
・メルカリ第一号のアメリカ赴任
・たまたま訪れた4日間で出会う
・観光ビザを使い果たした「愛」
・ミレニアル世代の夫婦円満術
・今後のキャリア観 / メッセージ
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場所に依存しない働き方

編集部:みささんは普段どんなことをされてるんですか?

みささん1日の多くは語学学校で英語の勉強をしています。7月からはカレッジでデザインを専攻するのでサンフランシスコに来てから多くの時間を“スキルアップ”に費やしています。あとは、日本に株式会社チョコラテ (Chocolatte Inc.) という法人があって、現在約20名の日本の作家さんと一緒にLINEのようにタップ式で読める物語を作っています。私は執筆と編集両方を遠隔でやっています。もちろん家事もやってますよ!

編集部:すごい、3足くらいわらじを履いてるんですね。しかも遠隔!

みささんもちろん作家さんと顔を合わせてやるのがベストだとは思うんですけど、そんなに細かい指摘が必要なわけでもないし、時間も締め切りまでに出来上がればいいという感じなので、遠隔でもできるんです。

編集部:じゃあ、場所に依存せず、スキルがあればどこでもできると。

みささんそう。もちろん、私が日本にいればもっとできることもあるんだけど、今はこっちでできる仕事を持ててるので、それだけで良かったなって感じです。だから日本でお世話になっている方にはすごく感謝してますね。

編集部:今は自分で書くというより、誰かが書いたものを編集するのがメインなんですか?

みささんいや、半々ですね。自分で執筆もしますよ。あとは、色んな人のスケジュールを管理しつつ、こうした方がいいよねとか、こういう作品作りたいよねとか、イラストを載せてもらったりとか。

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続きはこちら / アプリはこちら『Chat Novel

編集部:色々とやってるわけですね。一方、ともさんは今どんなことをされているんですか?

ともさんメルカリのサンフランシスコオフィスで、US向けアプリを作っていて、自分はAndroidを担当してます。今はテックリードっていう、技術的なロードマップを引いたり、技術の策定などをしていて、実際にどういうものを導入するかを決めたりしてますね。

編集部:ともさんもエンジニアなので場所に依存しないですよね?

ともさんそうですね。ただ、会社としては「All for One」というみんなが一緒のところに集まってやるのを大事にしているので、あまりリモートワーク自体は推奨されてないですね。とはいえ、柔軟さはあるので、特にサンフランシスコだと、マーケチームは金曜日はもうみんなワークフロムホームって感じで、オフィスには来てないです。

編集部:やはり、そういう柔軟さというのはOKR* (Objective and Key Results) で個人のやるべきことがはっきりしているからなんですか?
*目標とその達成度を測る指標をリンクさせ、企業・チーム・個人が向かうべき方向とやるべきことを明確にする目標管理手法

ともさんそうですね。アメリカの会社だと結構そうだと思うんですけど、個人の役割とかロールがはっきりしてるんで、そこをちゃんとやっていれば基本的にどう働こうが自由っていうスタンスではありますね。

編集部:じゃあ、やることさえやっていれば、場所に依存せず働けると。

ともさんは、以前取材したメルカリSFオフィスのAndroidエンジニア牧野直矢さんと一緒のチームで働いているとのこと。

健康的な生活がアウトプットを高める

みささんだからそれを極めたいんだよね?アメリカに限らず。

ともさんそうですね。

編集部:極める?(笑)

ともさん村上春樹さんのライフスタイルに憧れてて、あの人は午前中に仕事をして、午後はもうリラックスなんですよ。本を読んだり、ご飯を作ったりっていう感じで。そういうのがすごく良いなって思います。

実は日本のメルカリにいた時は結構長く働いてたんですけど、こっちに来て分かったのは、短い時間でちゃんと集中してやった方が良いコードが書けるんですよね。だから、長時間やることにそんなに意味はないし、たぶん時間を短くしたら実はもっと良いアウトプットが出るんじゃないかなって思います。

編集部:なるほど。制限を設けることで、アウトプットの質が高まるかもしれないと。そうすれば、プライベートの時間も増えるから、Win-Winだし、すごく良いですね。

みささん今は寝る時間もちゃんと確保できてて、たぶん私、今が人生で一番健康的だと思うんです。日本にいた時は、帰ってくるのが遅かったから、ご飯も簡単に済ませて、すぐ寝てすぐ起きて仕事行ってみたいな感じだったけど、こっちだと19時には帰ってきて、ご飯も二人で作って、運動もして、12時前には絶対寝てるんです。

ともさん健康的だよね。

みささんだから健康的な生活もアウトプットに対して良い影響を与えてるんじゃないかと思います。ちゃんと睡眠・食事・運動をするから、ストレスも溜めずに仕事ができるし。

みささんお手製のお弁当 / 夕飯

編集部:メルカリのそういう働き方というのは、やはり進太郎さんや小泉さんたちの考え方から来てるんですか?

ともさんそう思いますね。二人ともアメリカ展開してるときに子どもが生まれて、そういう「子どもがいても働きやすい環境ってどうやったら作れるんだろう」っていうのを結構考えていたから、それが結果的に今の色んな社内制度に反映されてるのかなって思います。サンフランシスコオフィスでも、つい最近、CEOのジョン・ラーゲリンが2ヶ月間くらい育休を取ってましたね。

メルカリの経営陣 [引用: メルカリ企業情報]

編集部:すごい!やっぱり上が率先して育休を取ることで下の人も取りやすくなりますよね。

みささんだからすごく一緒に過ごせる時間が多くて、アメリカっぽく二人でヨガしたり、ジャグジーに行ったり、プールに行ったり。充実した毎日を過ごしてます。

メルカリ第一号のアメリカ赴任

編集部:そもそもアメリカにはどういう経緯で来られたんですか?

ともさんメルカリ自体が元々アメリカでアプリを出すっていう前提でやっていたんですけど、最初はずっと日本から作ってたんですよね。でも、やっぱり現地のプロダクトマネジャーやデザイナーと話しながらプロダクトを作っていかないと、全然うまくワークしないし、良いものが作れないってなって。それで、「ちょっと赴任してやってみましょうか」っていうことで、自分が最初の赴任者としてアメリカに来たんです。

編集部:日本人初ですか?

ともさんそうですね。

編集部:すごい!

ともさんただ、ビザの取得とかに時間がかかったので、実際にアメリカに赴任したのは2016年の1月です。出張で行き始めたのは2015年に入ってからだったんですが。

編集部メモ:
ともさんがメルカリに入ったのは2014年の3月でまだメルカリの従業員が20人くらいの頃である。USのプロダクト自体は2014年の9月頃には出ていたという。

みささん簡単じゃないですもんね、日本企業がこっちで拠点作ってビザ出すようになるまでって。

ともさん自分が最初の赴任者だったので全然ノウハウもなくて。。。

編集部:たしかに(笑)

ともさんまず、そもそもどうするんだみたいなところから始まって、引っ越しとかもどうすれば良いんだみたいな。まあ、そういう赴任に関することは、自分が来たことで今の制度が決まっていったんじゃないかなって思います。

編集部:じゃあ、ともさんがその道を開拓していったと。たしかに、大きな会社だったら総務とか法務の担当者も慣れてるだろうけど、そうじゃないとビザの取り方も含めて分からないことだらけですもんね。

ともさんほんとに手探りでしたね。なんなら、最初の頃の出張は、現会長の山田進太郎がみんなの飛行機を取ってて…(笑)

編集部:え?あの進太郎さんが飛行機取ってたんですか?(笑)

ともさん取ってもらってました。これが安いからこれにしようみたいなメールが来て、じゃあそれで、みたいな(笑)

編集部:それは…(笑) 今となっては考えられないですね。

ともさん今は絶対そんなことないですけど、当時はそれくらい緩くフラットな感じでやってました。それで、出会った経緯は…

SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はSylvatexというサンフランシスコ市内にあるグリーンケミストリー系のスタートアップでインターン中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

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