シリコンバレーのおしどり夫婦が実践する『目標共有ノート』#ミレニアル世代の夫婦円満術

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ミレニアル世代の夫婦円満術

編集部:みささんの場合、例えば、すごく魅力的な案件が来て、「これすごくやりたいけど、これやっちゃうと毎日22時までやんなきゃいけない」みたいな状況があるかと思うんですが、そういう時はどういう軸で仕事の受ける受けないを決めてるんですか?

みささんそれは自分の中で優先順位を決めてるんです。私の場合は、1に家庭、2に自分のスキルアップ、そして、3に仕事。時間は限られているので、自分のできる範囲をきちんと考えて仕事を受けるか誰と一緒に行うか決めてます。だから、毎回そういう軸で仕事の話をさせてもらってます。

編集部:その辺の軸が自分の中に出て来たのは、こっちに来てからですか?

みささんそうですね。やっぱりこっちで働きたいと思ったら、学歴、英語、スキルみたいな最低限持ってないといけないスキルセットがあることに気づいたんです。そして、それがないとアメリカでは上がっていけない。

上がっていくためにはどうしたらいいんだろう、もっと長く勤めるためにはどうしたらいいんだろうって考えた結果、今の自分があって、その中で優先順位の軸が決まって来た感じです。もちろん、全ては旦那さんがいてくれての私なので、ほんとに感謝してます。

編集部:旦那さんの支えと理解があってというわけですね。

みささん語学学校行かせてもらったり、歯の矯正をさせてもらったり色々と。あと、今度コミュニティカレッジに行ってデザインの勉強も始めるんです。今後、子どもができたら状況も変わると思うんですけど、色々とやらせてもらってるので。

ともさんそこはお互いに、支え合ってる感じですね。例えば、僕は自分一人で今の収入を得ているとは思っていなくて、やっぱりみさこがいるから結果が出せてるところもあるんですよ。だから、二人のやりたいことをちゃんと共有し合って、助け合いながら前に進んでいくっていうのを大事にしてますね。

みささん私たち毎週大きなノートにお互いのやることとか目標を書いて共有してるんです。

編集部:そんなことやってるんですか?

みささん今週こういうことを目標にしますみたいな。私だったら学校に休まず行って、クラスの点数を70点以上取るとか。

目標共有ノート:リラックスぜいたく券を発見!笑

編集部:めっちゃがっつり書いてますね。もし相違が出たらどうやって折り合いをつけるんですか?例えば、自分は今週すごく仕事に集中したいけど、相手は遊びたいみたいな場合は。

みささんそれはないよね?

ともさんあまりないね。

みささんまず、1年間の大まかな目標を二人で決めてるんです。お互いにやりたいことを100個くらい書いて、その被ってること、だいたい旅行なんですけど、それを何月に入れていこうみたいな。そういう1年間の大まかな目標は決まっていて、その中で1週間ずつ落ちてるんで。

編集部:もう完全にイケてるスタートアップの目標設定ですね(笑) 上からちゃんと落としていくみたいな。逆にそういう枠が決まっているからこそ、さっきの仕事を受ける受けないの軸もはっきりしているわけですね。

みささんそう。お互いのやりたいことが具体的に共有できてるから、意見の相違も起こらないんです。「この時期はこれがあるから忙しいんだな」っていうのが分かるから、私もそれに協力できるし、逆に今週テストだから教えて欲しいことがあるみたいなこともあるし。

編集部:めっちゃいいですね。

みささんだから、こういうのはすごく良いよね。お互いの目標と何にどれくらい時間を使いたいかが見えるので。

編集部:これ、本書いたら売れるんじゃないですか?(笑)

一同:(笑)

編集部:絶対そこのコミュニケーションエラーで喧嘩してる夫婦いますよ。特に日本だと仕事が忙しくてすれ違いも多いと思うので。

みささん99%一緒にいる私たちでもこれって大事だから、一緒にいる時間が短いんだったら、もっと大事だと思う。お互いの目標とやってることへの理解。

編集部:ちなみに、これってどっちからやり始めようって言い出したんですか?

みささん私ですね。

ともさん自分は全然そういうの思いつかないんで。

編集部:それでとりあえずやってみたと。

ともさんなんか、そういうコミュニケーションって難しいじゃないですか。答えがないし。だから、とりあえずやってみようかってやったら、すごく良くて。

編集部:なんだか夫婦のあり方がスタートアップ的で面白いですね(笑)

今後のキャリア観

編集部:今後のキャリア観についてはどうお考えですか?

ともさん自分はエンジニアなので、これからも自分で手を動かしてプロダクトを作っていきたいと思いますね。あとはリモート的な働き方もできるので、もしみさこが違う国に行くってなったときには、ちゃんと付いて行って職を見つけられるよう今後もスキルアップしていきたいです。ただ、直近で一番行きたいのはハワイですね(笑)

編集部:ハワイですか?(笑)

ともさんハワイ行ったことないので、ハワイで仕事したいです。

みささんここ最近毎日言ってる(笑)

ともさんワークフロム”ハワイ”って言ってみたいんですよ。

編集部:それは今年1年のロードマップには含まれていないんですか?(笑)

ともさん入ってないので、ちょっと考えます。あと、夫婦としてはこれからもちゃんと二人で一緒に過ごせるっていうのを大事にしたいですね。

みささん私も、もし彼が次にどこかの国、ヨーロッパでもアジアでも良いですけど、そっちでチャレンジしたいというのであれば、それについて行きたいので、私自身、今はアメリカで語学とデザインスキルを身につけてアメリカの企業で働いてみたいですね。ちゃんとそこはエンターテイメントで。

編集部:世界の言語でですね。

みささんそう。私の人生の目標が英語で原作を作ることなんです。それが実現するのはもう20年後かもしれないし、私が死ぬときかもしれないんですけど。そして、いずれは以前一緒にお仕事していた方々と、また違った形でお仕事できるようになりたいですね。そうなれるよう早く成長したい。

編集部:スキルアップですね。

みささんなんか、こっちにいる人たちってみんな勉強してるし、みんな大学院出てるじゃないですか。こっちのスタートアップにいる人たちとか、優秀な人たちばかりだし。だから、勉強って大事なんだなって。

ともさんこっちの人って年を取ってからも大学に戻って勉強し直すっていうのがあって、以前出会ったUberドライバーは、もう50歳で子どもも5人いるけど、大学院に行き直してデータサイエンティストになって、夏からGoogleでインターンするって言ってましたよ。

Uberとはアメリカで日常的に使われている配車サービスのこと

編集部:えええ、50歳で!?

ともさんまあ、ちゃんとキャリアを積み上げて大学院に行ってるんだと思うけど、そういうキャリアの柔軟さっていうのはすごいなって。

みささん私もチャレンジすることは好きなので、今までにやったことがあることはやりたくないんですよね。だからそういうチャレンジはすごく良いと思います。

編集部:さっき、今後はデザインを学ぼうと思ってるって言ってましたよね。

みささん今までに、原作を作る、作品を売る、メディアミックス*をするみたいなのは経験したことがあるんですが、あとはデザインができたら全部コンプリートできるのかなって。自分が作った本の表紙を自分でデザインできれば、できることの幅も広がると思うので。
*宣伝効果を高めるために、複数の広告媒体を組み合わせること。例えば、小説やマンガの映画化/TV化。

編集部:デザインを勉強したらフルスタック (何でも屋) になれると。

メルカリのサンフランシスコオフィス

メッセージ

編集部:最後に、海外で挑戦したいと思っている人たちにメッセージを頂けませんか?

ともさんチャンスっていつ来るかわからないじゃないですか。自分もたまたまメルカリに入って、運良く流れに乗ってここにいるくらいなので。だから、チャンスに備えておくっていうのはめちゃくちゃ大事だと思いますね。

ただ、海外と言っても色んな国があるので、もし行きたい国があるのなら、その国の言語は勉強した方が良いのかなって思います。あと、スキルもないといけないので、活かせるスキルをちゃんと磨いていくのも大事ですね。

みささん彼すごく勉強するんですよ。だから、TOEICとかTOEFLもすごい点数取ってて。やっぱり、そういうスキルアップを日本にいる時からやった方が良いのかなって思います。

編集部:じゃあ、スキルを軸として磨きながら、その横で行きたい国の言語も勉強すると。あれ、でもみささんは勢いでアメリカに来たって言ってませんでしたっけ?

みささんたしかに勢いで行ったけど、やっぱり勢いだけでは超えられない壁っていうのを見たんですよね。それを超えるためにも英語を含めた標準スキルが必要なんだなって。だから、次の人たちにはそうならないようにしてほしいです。もちろん、一度こっちに来て自分の目でその壁を見てみるのもアリだとは思うんですけど。

編集部:じゃあ、もし興味があって来てみたいというのであれば、一度試しに来てみるのはありなんじゃないかと。

みささん来る価値はあると思います。自分でその壁を見るのも大事だと思うので。

編集部:例えば、夫がこっちに赴任するからということで、スキルとかキャリアはないけど旦那に付いて来るという女性もいるじゃないですか。そういう人はどうすれば良いんですか?

みささんやっぱり自分で自分の足りないスキルを発見して、そこを1つずつ積み上げていくのが大事かなって思いますね。特に駐在員さんの場合、任期が2-3年って決まってるので、「2年だし、まあいいや」ってなっちゃうかもしれないんですけど、もしその間にできることがあるんだったらどんどんやった方が良いと思います。

私たちの場合、日本のメルカリからUSのメルカリに転籍したのであと何年ここにいるか決まってないんですけど、それでも次があると思ってるんですよね。それはアメリカ国内かもしれないし、そうじゃないかもしれない。だから、私はその長いスパンで物事を見て、自分に足りないスキルを足してるんです。駐在員の妻の方々もそういう目で物事を見ると良いんじゃないかなって思います。

ともさんあと、旦那さんが来るから奥さんも一緒に来るっていうケースを前提に話すなら、旦那さんも奥さんとコミュニケーションを取って、「こういうことができるよ」っていうアイデアを出してあげた方が良いのかなって思いますね。

みささんたしかに、私も初めはアメリカ人のコミュニティに溶け込むのに時間がかかったから、そういうのはどんどん旦那さんが連れ出してあげて、情報を与えてあげないと。奥さん側は何も分からなかったりするから。

編集部:そういうところも含めて、さっきのフレームワークを使ってコミュニケーションを取ることが大事なわけですね。

ともさんそう思います。

編集部:きっと夫婦のあり方や関わり方で困っている人、もしくは今後どういう意識で過ごしていけば良いのか悩んでいる人たちには、すごく役立つメッセージなんじゃないかと思います。みささん、ともさん、本日はどうもありがとうございました!

最後まで本当に仲の良いお二人でした!

終わりに

今回は、『チョコラテ』CEOで小説家でもある女性起業家の今井みさこさん (みささん) と、『メルカリ』のサンフランシスコオフィスでAndroidエンジニアをされている今井智章さん (ともさん) にインタビューしました。

お互いの目標や何にどれくらい時間を使いたいかをちゃんと共有することでコミュニティケーションエラーを減らし、真に支え合える存在となる。自分のやりたいことと大事な人のやりたいこと。そのバランスが難しくなる時代だからこそ参考になる夫婦円満術なのではないかと思います。

僕も将来お嫁さんができたら、今井さん夫婦のような夫婦円満術を実践したいと思います!(まずはお嫁さん探しから!)

▼お二人のことが気になった方はこちら

  • 落合みさことは。Chocolatte Incとは?プロフィールまとめてみた!| Medium
  • 新感覚ノベル「チャットノベル」で作家として活動しています! | Medium
  • pixiv chatstoryでも連載開始しました! | Medium
  • 落合みさこ執筆一覧 | KAI-YOU.net
  • tomoima525’s blog | はてなブログ
  • 海を渡ったAndroidエンジニア、USでの新しいチャレンジ | mercan

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