Microsoft本社でクラウドサービスAzureのマーケティングを担当する石坂誠さん

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MBAを取ろうと思った経緯

編集部:最初はNECに入社されて、その後ブリンガムヤング大学にMBA留学をされたとのことですが、NECからMBA留学をしようと思ったきっかけは何だったんですか?

石坂さん:1つの大きなターニングポイントは、自分がビジネスで英語の必要性を感じたことですかね。当時のNECのお客さんって、海外に本社か拠点があるところも多くて、そうなると英語で資料を作らないといけないこともあったんですよ。でも、その時ふと「あれ、英語でビジネスやったことない」って思ったんです。こんな時、逆にみなさんだったらどうします?

編集部:やはり留学ですかね。

石坂さん:留学も1つですよね。あとはアメリカのNECに出向させてもらうとか、いくつか手はあったんですよ。その中でも、インドネシアとかシンガポールへの出向パターンっていうのがあって、言われたのは年間180日は全部出張だと。その時、家族で話し合って、子供が生まれたばかりだから厳しいよねと。

編集部:たしかにそれは厳しいですね。

石坂さん:私の中では家族の幸せの方が仕事よりも次元が高いんです。家族が幸せじゃなければ、どんなにビジネスで成功したとしても、それは私の中で人生の失敗なんです。なので、上司からの提案も丁重に断ったんですよ。その時に考えたのがMBAだったんです。法学部だったから、マーケティングのマの字もやってないし、色んな基礎を学ぶ手段としてMBAは良いのかなと。

編集部:たしかにもともと法学部でしたもんね。

石坂さん:あとは、私の義理の父がビジネススクールを出ていて、色んなアドバイスを頂いたんです。「このままいくと社畜になるよ。行く末が見えるね。」みたいなことを言われて、やはり行くべきなんじゃないかと(笑)

編集部:社費でMBAを取るというのは選択肢になかったんですか?

石坂さん:もちろんありましたよ。ですけど、社費で行けるかどうかっていう議論になった時に10年待てって言われたんですよ。

編集部:10年?(笑)

石坂さん:そのロジックは分からなかったんですが、当時、早稲田の同期とかで普通にハーバードビジネススクールとかに行き始めてる人がいたんで、10年ってどうなのかなって。しかも英語ができない自分が30代になって、英語キャッチアップできるのかなって(笑) なので、自費でMBAを取ることにしました。

MBA取得後、なぜ日本Microsoftなのか?

編集部:ブリンガムヤング大学でMBAを取得後、日本Microsoftへ就職された経緯を教えてもらえますか?

石坂さん:当時、MBAでマーケティングを取ってたクラスメートと西海岸に来て、インテル、ナイキ、シスコ、ギャップ、e-Bay、アマゾン、MicrosoftにOB訪問したんですよ。その時にMicrosoftにいたOBだけは、次の世界をどう作るかってことしか考えてないクレイジーな人たちだったんです(笑) 今まで自分がNECで次の10億円の案件とかを見てた世界と違う世界をがつーんと受けて、「やばい、こいつらゼロベースで世界見てる」っていう衝撃を受けたんです(笑)

編集部:それはやばいですね(笑)

石坂さん:作られた物を売るだけじゃなくて、世界を変える側にいる奴がいたみたいな(笑)

編集部:たしかにこっちだと、本気でそういうこと言ってて、本当に実行してる人たちがいますもんね(笑)

石坂さん:そして、Microsoftって技術力、知名度、人材、資本全部持ってるんですよ。しかもBtoB、BtoC、BtoG、BtoBtoCと繋がってて、プロダクトポートフォリオを見ると何でもあると。この会社はやべーと(笑) なので、その時からMicrosoftを意識し始めましたね。

編集部:たしかに考えて見ると全部持ってますよね(笑)

石坂さん:それでボストンキャリアフォーラムで、Microsoftも含めて20社くらい面接を受けたんですよ。当時OBHRっていう組織行動学とHRを中心に取ってたんで、人事に行こうかなと考えてたんですが、当時の日本Microsoftのマーケティングトップで、現在Dropbox Japanトップの五十嵐さんに「君のレジュメを見ると、うちのマーケじゃね?」みたいなことを言われて、「いや、人事って言いましたよね?」みたいな(笑) なんか必死に口説かれたんです(笑)

編集部:勢いがすごいですね(笑) ちなみに、NECは受けなかったんですか?

石坂さん:もちろんNECも受けようとしてたんですが、MBA枠がなかったのと、そもそもボスキャリにも来てなかったんじゃないかな。私NECにもレジュメを送ったんですよ。そしたら連絡こなくてスルーされたんです。

編集部:それは辛い…

石坂さん:結局、ボスキャリではコンサルとかメディカル系からもオファーをもらったんですが、妻と話し合ってMicrosoftにさせて頂こうと決めたんです。私は50個くらい項目書いて、オファーもらったところのランキングを付けたんですけど、妻は直感で「あんたはMicrosoftっぽいよ」って(笑) 結構妻の直感を信じているので、その後押しもあってMicrosoftにしました。

編集部:女性の勘ってすごいですもんね(笑)

石坂さん:あとMicrosoftが面白かったのは、内定後にまだ決めてもないのに「ぜひ将来働く可能性のあるチームと会って欲しい」と、日本に行くチケットとかホテルとか飯代まで用意してくれたんですよ。やはりそういうのを見た時にMicrosoftは人を大事にしてる会社だなと思ったし、あとは実際にマーケティングチームの人と会った時に、すごくできる人たちがいて、この人たちと一緒に働けたら面白いかなと思ったんです。

編集部:かなり太っ腹ですね。

石坂さん:あと、今日本Microsoftの社長になってる平野さんも実はブリンガムヤング大学の卒業生で、同じモルモン教なので家族の付き合いもあったんですよ。なので、そういう縁が重なったのも決め手でしたね。

編集部:じゃあ色んな縁が組み合わさって日本Microsoftにたどり着いたわけですね。

今後のキャリア観

編集部:バイリンガールちかさんの動画で、グローバルのマーケティングが面白いから今後も今の仕事をやっていきたいと仰られていましたが、もっと先の10年、20年のスパンで考えた時って、どんなキャリア観をお持ちなんですか?起業にも興味はあるんですか?

石坂さん:今のところ起業には興味ないですね。MicrosoftってBizSparkっていうベンチャーサポートプログラムがあって、スタートアップの人たちにクラウドのAzureとかAIを5000万円分まであげられるんです。たまにそこにいるチームとやりとりをするんですが、Microsoftが持つグローバルのBtoBチャネルとかを使って、彼らと一緒に伸びて行くのがすごい面白いんですよ。だって、スタートアップがないのって、知名度、信用、チャネルじゃないですか。Microsoft全部あるじゃんっていう(笑)

編集部:たしかに、スタートアップ側としてもMicrosoftと一緒にやっていった方がショートカットできますよね。

石坂さん:それなら、その橋渡し役をした方が正しいスタートアップとかイノベーションを促進できるのかなと。自分が作る側になるのか、そこを支援する側になって一緒に伸びて行くのかを考えた時に、どっちの方が自分の人生が面白いかと考えると、今はこっち側の方が面白いんじゃないかと思うんです。あとスタートアップにいくと、絶対1日28時間くらい働かないと無理じゃないですか。

編集部:たしかにどこかのタイミングではそいういうフェーズを経ないとですよね。

石坂さん:私は毎週奥さんとデートしたいので、それはありえないなと。あと学生さんのイベントとかもボランティアでやりたいので、そういうのってスタートアップにいるとできないじゃないですか。

編集部:良くも悪くも、1つのプロダクトに自分の全リソースを注ぐって感じですもんね。

石坂さん:あと、私の人生のゴールが「グローバルレベルで多くの人たちの幸せをITで見る」ということなので、それなら別にスタートアップじゃなくても良いんじゃないかと思ってるだけなんです。

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SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はシリコンバレーのIT企業で仕事中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

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