サンフランシスコで起こるおにぎりブーム、火付け役が語る #全米500店舗展開への勝算

この記事をシェア!

この記事の所要時間: 136

実家を売り、家族が帰国、そして

編集部:ちなみにOnigillyを始めた時ってビザは大丈夫だったんですか?

金松さん:前の会社の時は駐在員ビザ (L-1ビザ) でアメリカに滞在していたんですが、ビザを更新する際にその会社をクローズしたので、Onigillyを初めた時はビザがなかったんです。でも、そのままアメリカにいると不法滞在になるということで、一旦日本に帰って学生ビザを取ってまたアメリカに戻ってきたんです。

それでビザどうしようって困ってたら当時付き合ってた彼女、今の奥さんがもともとグリーンカード (永住権) を持っていたので、ビザサポートしてもらって、、、それで何とか生き残れたっていう感じです。

編集部:奥さんのコミットが半端じゃない(笑)

金松さん:その時、奥さんにめちゃくちゃ迷惑かけてるんですよね。2年前とか、ディレクター経験のある人を雇ったがために生活費が足りなくなって、家族を日本に送ったし。

編集部:どういうことですか?

金松さん:ちょうどその頃、家を買ったんですよ。奥さんが働いてる間じゃないとローンが組めないからってことで。でもローンが月4500ドル (45万円) とかですごく高いんですよね。ただでさえローンでギリギリなのに、なんか気付いたらその人まで雇っちゃってて。

編集部:雇っちゃったって…

金松さん:その人がいてくれたら良いなーって思ってたら、なんか雇っちゃってて。それで、これはまずいということで、家賃やその他養育費やら健康保険料やらの生活費を節約するために奥さんと子供二人を日本に送って、僕はその買った家の地下に住んで、上は全部貸し出してって感じで。

編集部:色々と凄すぎてどこから突っ込めば良いのか分かんないです…

金松さん:あと、僕の両親が島根に住んでたんですけど、その生まれ育った実家も売ってもらって、奥さんと子供二人と一緒に千葉にある3LDKのちっちゃいスペースに1年半くらい住んでもらって。

編集部:それ、親は理解してくれたんですか?

金松さん:親も「分かった」って。

編集部:巻き込み力がすごい!

金松さん:それで、やっと先が見えてきたということで、去年 (2017年) の10月くらいから家族もアメリカに戻ってきました。

編集部:なんだか本気度が違いますね。

金松さん:ここまでならいけるっていうところまでは自分でなんとかしたいと思っていたので、資金調達にも頼りたくなかったんです。特に今はまだベータ版なので。

正直、奥さんと2人で2店舗経営するとかならそれなりに良いお金になるんですが、僕らはもう500店舗って言ってるので、システムとか人に半端なく投資してるんですよね。

編集部:すべて仕組み作りに投資していると。

金松さん:だから、4店舗だったら全然いらないチェーン用のアカウンティングシステムとか、そんなものにばかりお金をかけてるからお金がないんですよ。なので、投資をもらい始めたのも割と最近なんです。

編集部:ハードウェアのスタートアップみたいに、後でとんでもないJカーブが来そうですね!

おにぎりネイティブ、到来

編集部:今後の展開というところで、今年パロアルトにもう1店舗出そうとしていますが、何年後に500店舗を達成する予定なんですか?

金松さん:たぶん今から10年15年後くらいには500店舗になってるんじゃないかなって思います。ただ、機械の仕上がりとかオペレーション、クオリティコントロールみたいなところで細かい不確定要素が多いのでなんとも言えないですね。

編集部:そこはその時の状況によると。エリアに関しては、どこに展開していこうとかってあるんですか?

金松さん:おそらく次の5年10年はシアトル、ニューヨーク、ロサンゼルス辺りの都市部ですかね。都市部にいる人だとある程度日本食にも馴染みがあると思うので。そのあと田舎でもサブウェイのようにおにぎりを食べるみたいなのが来るのかなって思ってます。

編集部:なるほど。

金松さん:アメリカのハイウェイってハンバーガーばっかりじゃないですか。だから、あそこにおにぎりがあるのが夢ですね。

編集部:じゃあ、In-N-Outに行くかOnigillyに行くかの2択の世界が来るかもしれないと。

In-N-Outはカリフォルニア発の人気ハンバーガーショップ

金松さん:結構、あり得ると思うんですよね。最近読んだ記事で、小学校に寿司を持ってくる子供が多いって書いてあって、そういうことを言われるということは、若い世代ならおそらく先入観なく初めからおにぎりもありだってことだと思うので。

編集部:スマホネイティブならぬ、おにぎりネイティブですね。

金松さん:だから10年後のおにぎりって、もう半端ない市場になってると思うんですよ。

編集部:今ですら人種関係なく、色んな人に受け入れられてるわけですもんね。ちなみに、州をまたぐと州法も違うからオペレーションとかクオリティを保つのも大変になるのかなと思うのですが、そこは大丈夫なんですか?

金松さん:やっぱり、ずっと考えた結論がサブウェイで、具材は基本的に工場で作るので味は一緒であとは解凍するだけですし、お米は基本的に機械が自動で炊いてくれるので、みんな完璧に炊けるんです。

編集部:先ほど仕組み化のところで仰ってましたよね。もうそれだけ簡単だったら「フランチャイズやらせて下さい!」みたいな人って出てこないんですか?

金松さん:かなり問い合わせはあるんですが、やっぱり安易にはいきたくないんですよね。おそらく安易に行くと痛い目にあうと思うので。だから、まずは今年中に仕組みを完璧にして、オペレーションの自動化、クオリティコントロール、具材の工場生産とかを全部クリアしたら、フランチャイズのプログラムも動いていこうという感じです。

編集部:そこは慎重に行きたいと。

金松さん:よくコピーされるって言われるんですけど、たぶん出来ないんですよね。単独でおにぎり屋やってもうまくいかないし、すごく売りづらい商品なので。寿司とかに比べて安いし、ちょっとでも米が多いとすぐクレーム来ますし。

それならポケボウルとか寿司ブリトーやってた方が高く売れるし良いじゃないですか。だから、実際に自分でやってみて、こんなもん誰もやらないよなっていうのが分かったんです。

編集部:いざやろうとすると難しいわけですね。

金松さん:そう思います。

オフィスにある「Onigilly Visionary 500 MAP」

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はシリコンバレーのIT企業で仕事中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

スポンサーリンク
Simplicityのレクタングル大