大事なのは「適材適所」
編集部:今後、店舗を展開していく上では現地採用も大事かなと思うのですが、そこはどうお考えですか?
金松さん:実は僕、アメリカ人のマネジメントがいまいちよく分からない、、、というか、うまく出来なかったんですよね。だから、もうそこはアメリカ人に任せてます。
編集部:じゃあ、今はオペレーションとかを見るアメリカ人のトップがいると?
金松さん:そうですね。彼が全体のオペレーションを見て、僕はどうビジネスを前に進めて行くかっていうのを考えてます。
初めは僕もオペレーションをやってたんですけど、途中で自分があまりうまくないっていうのに気付いて、そうなると時間もかかるし、ストレスも溜まるし、人も辞めちゃうしっていうことで、僕はやらないって決めたんです。
編集部:そこは得意な人に任せようと。
金松さん:すごくぶつかりますけど、それでもすごく助かってます。やっぱりアメリカだと感覚が全然違うんですよね。例えば、アメリカの場合、僕からすると「ちょっときついんじゃない?」っていう言い方も多いんですが、こっちだとある程度厳しくいかないといけないらしくて。僕の言い方だと優しすぎるって言われるんです。
編集部:甘くなっちゃうわけですね。たしかに、日本人同士だと「言わなくても察するよね」っていうのがあるからあまり言葉にしないけど、こっちだと良くも悪くも察するみたいなのがないですもんね。
金松さん:そうですね。だから、そこはそういったことが得意な現地のアメリカ人に任せるようにしてます。
編集部:なるほど。ちなみに、そういう現地のキーパーソンを巻き込むのってかなり重要だと思うんですが、いざ巻き込むとなるとすごく難しいじゃないですか。そこはどうやって巻き込んだんですか?
金松さん:やっぱり、500店舗って言ったから。
編集部:ビジョンで巻き込んだと!
金松さん:たまに彼が「自分は何をやってるんだ」って怒ってますけど、それでも辞めないのは、いつか本当に全米500店舗っていう夢が実現すると信じているからなんだと思うんですよね。
編集部:じゃあ、ビジョンへの共感が人を巻き込む上では大事だというわけですね。
メッセージ
編集部:最後に、何かに挑戦したいと思っている人にメッセージをもらえませんか。
金松さん:僕はみんながみんな起業家になる必要はないと思うんです。本当に大変だし、精神状態もジェットコースターみたいな感じできついので。でも、それでも本当にやりたいというのであれば、それはやった方が良いんじゃないかなって思います。その方が人生楽しいと思うので。
編集部:やりたいやつはやれと。
金松さん:僕は本当に運が良かったなって思うんです。自分のやりたいことが30代前半で見つかったので。人によっては見つからないかもしれないじゃないですか。特に、日本だと恵まれすぎてて解決すべき課題がなかったりするから。例えば、おにぎりだってあれだけコンビニがあれば困らないし。でもアメリカは不便だからOnigillyができたわけで。
編集部:たしかに日本だとコンビニ最強説ありますもんね。
金松さん:そういう意味では、アメリカでも良いんですが、日本以外の発展途上国とかの方が課題自体は見つかりやすいのかなって思います。
編集部:例えば、自分でこういうのがやりたいと思っていても、周りの目を気にしたり、周りに反対されてアクションできないこともあるじゃないですか。そういう場合はどうすればいいんですか?
金松さん:日本でやりづらいのであれば、一度日本を出てみるのもありだと思いますよ。でも、もしそれが本当に自分のやりたいことなのであれば、たとえ日本であっても応援してくれる人はいると思うんですよね。そして、人に何か言われて「やっぱりやめよう」って思うようであれば、それってたぶんそんなにやりたいことじゃないと思うんです。
編集部:間違いないですね!
金松さん:だから、誰に何と言われても自分がやりたいのであれば、その想いを貫いた方が良いんじゃないかと思うんです。
編集部:本気でやりたいことなら、周りも巻き込むくらいの勢いでやった方が良いと。一歩踏みとどまっている人は勇気がもらえたんじゃないかなと思います。金松さん、本日はどうもありがとうございました!
おわりに
本日は、サンフランシスコで大人気のおにぎり屋さん『Onigilly』のCEO 金松孝司さんにインタビューしました。
どんな逆境にもめげず、10年もの歳月を突き進んできた金松さんの生き様からは、「信じること、継続すること」の大切さを垣間見たように思います。そして、その内に秘めた闘志からは、本当に全米500店舗展開を達成する気迫と自信が伝わって来ました。僕も金松さんのように、自分の信じた道を走り続けたいと思います!
▼金松さんが気になった方はこちらもどうぞ
- 夢は全米500店舗のおにぎり屋チェーン!|JBpress
- Onigillyの店舗がSFダウンタウンにオープン! | J weekly
- サンフランシスコの食トレンド | JETRO
- ”手軽でおいしいおにぎりをアメリカで” SF発!おにぎり専門店の挑戦 | Hack Letter
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(編集: 中屋敷量貴)
余談ですが、先日投稿した「A day in the life of a Chemistry Startup intern in SF」の動画にも「Onigilly」が出ています。
サンフランシスコでの生活に興味がある人は、ぜひチェックしてみて下さい!
(おわり)