ホリプロ元マネージャーが語る、芸能界時代とシリコンバレーの共通点

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日本文化はポテンシャルしかない!

編集部:吉田さんは「日本→アメリカ」でお仕事をされていますが、こちらでの日本の文化やエンタメのポテンシャルに関してはどうお考えですか?

吉田さん:何をもって日本のコンテンツとするかですが、基本的にはまだまだニッチですね。僕が扱っている映画・音楽・ファッションとかも、まだものすごくニッチです。

編集部:まだまだポテンシャルがあると。

吉田さん:あると思います。例えば、僕はイイチコさんとすごく仲が良いんですけど、焼酎はまだまだこれから伸びると思いますね。

編集部:たしかに、あまり見ないですよね。

吉田さん:日本ではよく「アメリカでお酒がすごく流行ってます」って言われてたりしますけど、アメリカ人がそんなにお酒を飲んでるかというと、日本食レストランに行ったときに飲むくらいで、要は僕らが中華料理屋に行って、中華料理屋に来たし紹興酒飲むかくらいのたまーに飲む感じ。それが焼酎だったらもっと飲んでないですよね。だからもうスーパーニッチです。

編集部:伸びしろしかないわけですね!

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Blue Bottle Coffee』の日本進出も全面プロデュース

吉田さん:あと日本では「アメリカですごくアニメが流行ってます」みたいな報道がされてますけど、全然そんなことなくて、まだまだ余力があり、攻めがいのあるエリアだと思います。

編集部:じゃあ、日本の文化関係、エンタメ関係の人がアメリカに進出するときは着火マン吉田に連絡ですね。

吉田さん:そうですね(笑) アメリカのどこかに攻めたいときは、まず吉田に電話です!

表敬訪問: テック企業に嫌われる日本人

編集部:ところで、日本企業が米国進出を試みる際に躓く点というのはどこなんでしょう?

吉田さん:まず、アメリカを1つの国だと思っているところですかね。例えば「アメリカを攻めたいです」と言われたときに、アメリカと言うのはないですと。それは「ニューヨークですか?ロサンゼルスですか?」というところが一番最初で、それが分かってはじめて「それならこっちの方が良いのかもしれませんね」というのが、日本企業のアメリカ行きたいぜあるあるです。

編集部:ちゃんと都市ごとの商習慣やカルチャーも考慮しないといけないと。ただ、日本企業だと現地企業とのコネクションもなくて、現地のことが分からないと思うのですが…

吉田さん:そこは難しいところですが、日本の方で「全然わからないです…」という方が結構いるんですが、僕からすると「全然調べてないじゃん(笑)」ということも多いです。

なので、みなさんこちらにいるキーマンに会いに行くわけですけど、これももう耳タコだと思いますが、表敬訪問とか視察も嫌われてるというか。

編集部:よく言われてますよね。

吉田さん:でも、僕も昔はやってました。ちょっとだけご挨拶をって。だって、それが日本の文化だから、日本人からするとやって当たり前じゃないですか。なので、そこで日本の感覚のまま来て「最近どうですか」なんて話してたら、基本的に「帰れ」って言われますよね(笑)

編集部:ほんとにそんな感じなんですね…

吉田さん:僕も最初はそんなこと知らなかったので、「あなたとはもう二度と会いません」って言われたり、「猛、お前はなんの話をしに来たんだ」と言われたこともあります。あとは「俺の時間は1分いくらだぞ。今日の話し合いは、A、B、Cのどのビジネスプランでコラボするかっていう話じゃないのか?」とか。

そんな中で学んで行くこともあるのかもしれないですけど、ここまでこの話が有名になっているんだから、アメリカのどこかに攻め込みたいぜという意識がある人は、まずそこはある程度学んでからこっちに来た方が良い時代になっちゃったかもしれないですね。

編集部:目的意識であったり、相手の時間を使っているという意識ですよね。

吉田さん:そうですね。テック企業に訪問して来る人種で一番嫌われてるのが日本人という話も聞いたことがあります。

編集部:え、そこまでですか!?

吉田さん:みたいになってます。「ギブアンドテイクのこの世界で、彼らはテイクオンリーだ」と。社長が来ると言うので、よしよしと会ってみたら、社長が持ち帰るばかりで「社長が持ち帰るんだったら誰が決めるんだよ」という話も聞くので、そういう人がずっと来続けたら「日本人、大丈夫ですか?」ってなるのかなと。

編集部:たしかに…

吉田さん:今の話はたぶんどこに行っても聞くと思うんですが、もう1個話していいですか?

編集部:どうぞ!

吉田さん:僕はホリプロ時代に俳優のマネージャーをしていたのですが、、、

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