ホリプロ元マネージャーが語る、芸能界時代とシリコンバレーの共通点

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ホリプロ時代とシリコンバレーの共通点

ホリプロ所属の俳優「藤原竜也」 [引用: ホリプロHP]

吉田さん:僕はマネージャーだったので、藤原竜也の仕事を取って来る役でした。なので、常に藤原のプロフィールを持ち歩いていたんです。でも、それと同時に、違う芸能事務所のタレントのプロフィールも持ち歩いていたんですよ。

編集部:どういうことですか?

吉田さん:ホリプロの同期はホリプロの同期でいるんですけど、芸能事務所への就職活動中に出会った人、僕は勝手に芸能界同期って呼んでるんですけど、その芸能界同期とは敵でもありながらすごく仲が良くて、当時自分たちが担当していたタレント、歌手、俳優をどうプロデュースしていきたいかを常に共有し合ってたんですね。

編集部:ビジョンを共有していたと。

吉田さん:そう。だから、他社の仲良いマネージャーたちも藤原竜也のプロフィールを持っていたし、逆に彼らが担当するタレントのプロフィールも僕は持っていたんです。

なので、彼らは僕なしで吉田猛2号くらいのトークができたし、僕も彼らが創りたい世界観をバッチリ理解していたので、彼らなしでもきっちり彼らの営業トークができたと。そういう世界があったんですね。

編集部:それはかなり興味深いですね。

吉田さん:そして、それってシリコンバレーに近いと思うんです。

例えば、普通だったら「自分とは関係ないな」ってスルーする話でも、常にAさんの話が頭に入っているので、「実はこんな人がいまして」とその人がやる営業トークをきっちりして、すぐ繋ぎますみたいなのがシリコンバレーでは日常的にあるんですよ。

自分はそういう人たちのことを「same page people」と呼んでいるんですけど、そういうビジョンややりたいことをちゃんと共有できた仲間がいれば、面白い世界が作れるんじゃないかと思うんです。

編集部:ハッシュタグ (#) ですよね!

吉田さん:そうですね(笑)「#same page people」です。そして、そのsame page peopleをしっかり増やしていくことがすごく大事だと思っているので、日本からいらっしゃるお客様には、この話を必ずするようにしてます。

編集部:目標やビジョンをしっかり共有し合った仲間を増やすことが大事だと。

吉田さん:僕はギブアンドテイクっていう言葉もあまりしっくりきてなくて、、、たぶん、Aさんのビジョンがちゃんと分かってたら、それって自然に出てくると思うんですよ。

「そういうことだったら、僕は全然違うBをやってるんですけど、Aさんならぴったりですよ!」って。これは別に何か見返りを求めてやるのではなくて、自然と出て来ると思うんです。

だから、そのサポートし合う雰囲気が、シリコンバレーやベイエリアにはあるなと思っていて、それは昔ホリプロ時代に、違う芸能事務所のタレントプロフィールを持ち歩いて売っていた時代と近いものがあるなと思うんです。

きっかけは「阪神淡路大震災」

編集部:ちょうど過去の話が出たので話を過去に移しますが、もともとエンタメに興味を持たれたのは、何かきっかけがあったんですか?

吉田さん:一番最初に自分の中に「エンタメ」というキーワードが生まれたのは、阪神淡路大震災の時ですね。僕はたまたま生き残った一人だったんですが、その時中学3年生ながらにして、二つのことを思ったんです。

東北大震災の時にはレディー・ガガが来ましたが、我々の時は『シンディー・ローパー』という今も有名なアーティストですが、彼女が来てくれたり、色んなエンタメの方が来て下さって、ものすごくエンタメから力をもらったんですね。

シンディー・ローパーはアメリカの歌手・女優。
グラミー賞、エミー賞、トニー賞の受賞経験がある。

だから、そこで自分も将来なにかエンタメに関する仕事に就きたいなっていうのが一個生まれたのと、もう一つは単純に世界中から物資やら何やらのサポートを受けたので、これだけヘルプを受けたなら、自分も何か返したいなと思ったんです。

当時、アフリカを救うみたいなのが色んなところで叫ばれていて、国連の難民高等弁務官という難民援助の組織を総括していた『緒方貞子』にすごく憧れていたんです。だから、将来は絶対国連で働きたいなとも思ってました。

日本の国際政治学者。国連人権委員会日本政府代表、
国連難民高等弁務官などを歴任。

編集部:そこで、エンタメと国際協力に興味を持ったわけですね。

吉田さん:そうですね。エンタメ/国際協力、エンタメ/国際協力、エンタメ/国際協力、、、と中3からずーっとそんなことを考えていて。

編集部:そして、ホリプロに入って藤原竜也さんのマネージャーをしたと。

吉田さん:そうです。ただ、マネージャーというと、一般の方には付き人とかお世話をする人みたいなイメージがあるかもしれませんが、ホリプロではタレントをプロデュースして売っていくポジションの人をマネージャーと呼んでいたんです。

編集部:じゃあ、ニュアンスとしてはプロデューサーの方が近いわけですね。

吉田さん:そうですね。僕がホリプロに入社した時に上司から言われたのは、「マネージャーってどういう意味かわかるか?」と。ホテルでいうマネージャーって支配人のことですよね。タレントの支配人というか、タレントは歌う、踊る、演じる/僕はタレントをプロデュースして仕事を取ってくる、そういう内容のことを言われました。

支配人というと少し上からになっちゃいますが、そういう感じでマネージャー1人でタレント3~7人くらいを担当して、彼、彼女らを歌わせるのか、演じさせるのか、どう起用してもらうのかという作戦を練り、企画を立て、営業して、形にして、、、これ全部ですね。

編集部:すごい、全部やってたんですね!

吉田さん:色んなことをやってましたね。

(藤原竜也さんの話はあまり公にできないので割愛します…)

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