【東大からハーバード!?】プロジェクト管理ツールを提供する”asana”で働くソフトウェアエンジニア山田寛久さん

シェアはこちら

この記事の所要時間: 932

インタビュー3本目となる本日のゲストは、東大から合格率5%とも言われる世界最難関のハーバード大学に移籍し、現在は元FacebookのCo-founderがCEOを務めるプロジェクト管理ツールを提供する”asana”でソフトウェアエンジニアとして働く山田寛久さん(ひろくん)です。

インタビューの様子はこちらから

お金がありすぎて、収益を考えてなかった?

編集部:早速ですが、今ってasanaでどんなことをされているんですか?

NASAやFacebookをはじめとする多くの有名企業も愛用するプロジェクト管理ツール”asana”:
個人のタスク管理やタスク内でのチャット機能など、シンプルかつ感覚的に使いやすいことが特徴。

ひろくん:ソフトウェアエンジニアとして、マネタイゼーション部門で働いてます。ざっくりいうとasanaという素晴らしいプロダクトを使って、どうお金を生み出すのかを考える部門です。実はファウンダーたちの影響もあって、スタートアップにしてはかなり金銭的に余裕があるんですよね。なので、今まで収益のこととか全然考えて来なかったんですよ (笑) でも、これからはそこも変えて行こうという感じです。

編集部:そんな部署聞いたことないですよ (笑) ファウンダーって元FB Co-founderのダスティン・モスコビッツですよね?

ひろくん:そうです。Co-founderは二人いて、一人がダスティン・モスコビッツで、もう一人がジャスティン・ローゼンスタインですね。ジャスティンはGoogleにもFBにもいた人です。

編集部:たしか、ダスティン・モスコビッツって元々経済学部で、マーク・ザッカーバーグにお前いらねーよ的なこと言われて、その週末にPerlを習得して出直していったみたいな逸話ありますよね。まあ、出直してみたら、うち使ってるのPHPだからみたいなこと言われたらしいですが (笑) ちなみに、今って具体的にはどんなことやってるんですか?

ひろくん:色んなことをやってます。例えば、元々asanaの課金モデルってフリーミアムだったんですが、これからはエンタープライズも入れていこうみたいな。プレミアムとの違いは、ログインの一括管理ができるなど大人数の会社で必要となってくる機能があることですね。まあ、今は色々と足しているところなので公表できないものもありますが。

フリーミアム(Freemium)とは、基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金する仕組みのビジネスモデルである。 -Wikipediaより

編集部:じゃあそういった新たな機能とかを実装してる感じですか?

ひろくん:実は、僕らのチームが新たな機能を実装するということはなくて、どちらかというと他のチームが作った機能を簡単にエンタープライズ機能に組み込めるようなフレームワークを作っています。

編集部:ちなみにasanaって営業とかもするんですか?

ひろくん:営業に関しては、僕は営業じゃないので詳しくないですが、基本的にこちらから電話をかけることはないですね。だから、まずは無料のプロダクトを組織の1チームまたは1プロジェクトで使ってもらって、asanaっていいねっていうのがチーム全体に広がっていくというのが理想です。蒔いた種がだんだんと芽生えていくイメージですね。

編集部:日本のスタートアップだと、収益化を考えた時に営業を増やしてダイレクトに売っていくみたいなやり方が多いけど、それをエンジニアでマネタイズ部門を作って加速させていくってのが、良い意味でこっちのスタートアップっぽいですね。

ひろくん:あと技術的に面白い話だと、最近やったプロジェクトでasanaの課金モデルが複雑だっていう問題があって、asanaって会社全体をプレミアムにすることもできるし、チームだけをプレミアムにすることもできるんですよね。今まではフリーとプレミアムしかなかったから良かったけど、これからはエンタープライズも入ると。。。そうなると料金の計算がすごく複雑になってしまうんですよ。なので、APIを利用して1つのサービスで課金モデルの計算ができるようにコードを書き直しました。色んなテック企業がありますが、asanaだとこうした技術的に面白い課題にも早い段階から取り組むことができるんです。

編集部:ちなみに今のメインの言語ってなんですか?

ひろくん:asanaは2つフレームワークがあって、古い方は全部Java Scriptで書かれてるんですが、それだけだとあんまりスケールしないってことで、今はバックエンドをスカラ (Scala)、フロントエンドをタイプスクリプト (TypeScript) っていうのに書き直してますね。なので、チームにもよるんですが、スカラーを使ってる人が多いです。うちのチームは半々くらいです。

asanaという言葉はヨガのポーズに由来しており、心身がとても安定した状態を表す言葉だそうです。なので、チームで仕事をする時にも一切摩擦を感じずに清らかな心を持っていたいよねという想いが詰まっているそうです。

Grease Week と Polish Week?

編集部:じゃあ、社内で最新技術をキャッチアップするような勉強会とかシステムってあるんですか?

ひろくん:実はasanaは1年間を2つのエピソードに分けていて、各エピソードにハッカソン、Grease WeekPolish Weekという各1週間のアドミッションがあります。Grease Weekでは、普段は治す時間がないちょっとしたバグやツールの修正など、日常のワークフローを効率化するために時間とリソースを投下しましょうという1週間です。例えば、asana社内のPMが使うツールがあるんですが、そういう使いにくいツールを使いやすくしたりします。あとPolish Weekっていうのは、その名の通り磨き上げるってことですけど、UIのほんとに細かいところ、例えば、テキストが少しずれてるとか、ボタンがずれてるとか、そんな細かいところを会社をあげて1週間見つめ直そうというものです。細かいところではありますが、こうしたところでユーザーの印象って変わってくるんですよね。

編集部:なんだかプロダクトに強い愛というかこだわりを感じますね。

ひろくん:それが仕組みとしてあるっていうのがすごく良いですよね。ボタンが少しずれてるとかって日々の仕事をしてるとどうしても優先度が低くなってしまうんですが、一週間それだけをやってればいいんだよって言われると、本当にそこだけを磨き上げることができるので。

編集部:じゃあ、Polish Weekが終わった後って結構変わってたりするんですか?

ひろくん:しますよ!超細かいんですけど、この前あったのは、asanaって自分がアクセスできないプロジェクトに行くと「あなたはアクセスする権限がありません」っていう画面がでるんですよね。でも、その表示がすごく崩れてて。まあ良いっちゃ良いんですけど、その画面見る人ってそんなにいないので。でもそこのデザインを大幅に変えて、アイコンとかも変えてってすると意外と反響ありましたね。あとBtoBだとこういう細かいところも会社の信頼につながりますからね。

編集部:たしかにそれはありますね。

ひろくん:あと勉強会でいうと、ちょいちょい講演会みたいなのはやっていて、クレイグスリストかどこかの会社のCEOが講演したり、この前だとThe Informationっていうシリコンバレーの内部事情を詳しく書いてる記事を月極めで提供するサービスがあるんですが、そこを立ち上げた人とか、Yコンを立ち上げた人とか。まあダスティンの人脈をフル活用してって感じです。

編集部:そういう環境がこっちにはあるんですね。この前Googleのキャンパスに遊びに行ったんですが、その時に、あの辺にラリー・ペイジとかCXOがいますってなって、その環境ってすごいなって思ったんですよ。なんか物理的に近くにいるってだけでも、本当に存在してるんだなって。いい環境ですね。

ひろくん:まあどうなんですかね。丸の内で働いてたら、三井物産の社長とか同じビルにいたりするわけじゃないですか。だから物理的に優秀な人が集まってて優秀なVCがあるっていうこと以外に、ベイエリアっていう環境にどこまで本質的に意味があるのかなってのは思います。だから、あそこにラリー・ペイジがいるとかっていうのに惑わされているのはちょっと神格化のせいなのかなと思います。

編集部:たしかに。これって日本にいた時に自分に蓋をしていたせいなのかな。なんか、シリコンバレーって創業者も神で、働いてる人もキレッキレの尖ったやつしかいないんじゃないかみたいなイメージがあったので。。。でも、実際にこっちに来て話してみると、意外と通ずる部分もあるし、近い部分も多いなと。来てみて近くにいるから分かったってのもあるとは思いますが、最近は実際に色んな人に会って話を聞いてみるのが自分に蓋をしないためにも大事なのかなと実感しています。

ひろくん:まずは選択肢にないことから脱却することが大事ですよね。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう