【バイオで日米を繋ぐ!】InfiniteBio CEO 二村晶子さんと二村夏彦さん

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コラボレーションは物理的な近さから起きる

編集部:そういえば、この建物ってバイオ系のインキュベーションセンターなんですか?

夏彦さん:そうです。日本だとあまりコラボレーションって聞かないと思うんですけど、アメリカだとフレキシブルにコラボレーションすることが多くて、実は先程話したAIのプロジェクトもまさに隣の会社とのコラボレーションなんです。面白いことに、隣の人がまた色んな人に紹介してくれて、今はどんどん話が発展してきてるんです。だから、いろいろ見てると、コラボレーションって物理的な近さから起きてるのかもしれないですね。結構くだらないことを話しているうちに研究の話に発展していることも多いですし、我々もこの場所がなかったらわざわざコラボレーションしてなかったと思うので (笑)

編集部:物理的な近さが重要なんですね。やはりシリコンバレーだと人との繋がりも大事なんですか?

晶子さん:そうですね。住商で働いていた時はたくさん出張していたんですが、そこで色んな人に会ったのが InfiniteBio を作るときのベースになってますからね。あと、過去の自分を振り返ると、「このセミナーで、こういうスピーカーがいて、こういう人が集まるなら、必ずこの人達には挨拶してこよう」とかは常に考えてましたね。今でも、自分たちのネットワークがそれほど強くない分野のプロジェクトがあった場合にはイベントに参加するようにしてます。というのも、各専門分野に知り合いがいると、何か問題があった時に、誰にそれを聞けば良いかがわかるようになるので。

編集部:たしかに、「誰が何を知っているか」を把握してるのが大事って言いますよね。

晶子さん:そして実際に会ったことがあるというのが大事なんですね。一度会っただけでお友達のようになるし、メールを出してもすぐに返事が来るようになります。だから、誰とお会いしても、何をやっているか、何を持っているか、何を必要としているかは、今でもばばっと聞くようにしています。

夏彦さん:あとこの辺はIT系とかバイオ系に限らずイベントの数がものすごく多いから、その点でシリコンバレーは有利だと思います。

編集部:そういうのは誰がオーガナイズしているんですか?

晶子さん:コンサルの人が数名でグループを作ってイベントをやっているケースもありますし、あとは企業が主催している場合もあります。例えば、私が住商のバイオテク子会社にいた時には、年に2回パーティーをしていたんですが、呼ぶとみんな来るんですね。でも、その理由っていうのはネットワーキングで、毎年そこに来た人たちの中からいくつかディールが成立してましたね。たまに、「◯◯さんを紹介してくれてありがとう。一緒にこれやることになった!」みたいな報告が来てました (笑)

編集部:それはすごくアメリカっぽいですね (笑)

今後のキャリア観

編集部:今後のキャリア観やビジョンを教えていただけますか?

晶子さん:色んな人を見ていると、色んなポジション、例えば研究者、起業家、投資家等の役割を循環している人がいますよね。私自身のことを言うと、やはり住商にいた時も独立した時も、やりたい研究というのがいつも心のどこかにあったんですね。なので、今はどこかの研究所に所属するのではなく、自分で作った組織で自分のやりたい研究をしたいと思っていますただ、やはりコンサルもニーズは常にあって、仲の良い人やお世話になった人とかのことを考えると、完全にそれを辞めるのは少し抵抗があります。「じゃあ両方やるのか?」と周囲から言われてしまうのですが、両方やっていきたいなと思ってます (笑)

編集部:日本だと研究者は研究だけをしているイメージがあるので、研究もビジネスもやるというのは良い意味でアメリカっぽいですね。

夏彦さん:でもアメリカだと研究者でもお金を稼いだ方が尊敬されるよね。実際にユーザーがいるのかっていうのが研究の評価のされ方になってきてるし。やはり誰にも使われない研究は無駄だってのは結構いろんな人が言ってます。

編集部:僕の周りでもアメリカでPh.D.を取ろうとしている人が多いんですが、最近はMBAとPh.D.両方を取って起業するみたいなのがイケてるらしいです (笑) 本当かどうかはわかりませんが。

晶子さん:私はシカゴ中西部の大学に行っていたので、やはり西海岸とは起業に対するカルチャーが違ってましたね。ほとんどの人がポスドクに行ってたし、途中から起業しようってのは考えられなかったです。あと、最近は逆にビジネススクールで教えないか?という話がたまにきますね。日本のビジネススクールからは数年前から来てますが、最近はアジアとのビジネスの関係もあって、ちょっとこういうのを教えてくれないかという話がアメリカのビジネススクールからも来てます。

理系に英語の壁は関係ない!

編集部:最後に日本から海外にチャレンジしたいと思っている人にメッセージをお願いします!

夏彦さん:僕はアメリカの大学でプロフェッサーをやってたから言うけど、アメリカのマスター(修士号)プログラムは理系の人にはすごくおすすめです。たった2年で取れて、それが終わったらアメリカ人と同じ就職活動して、普通にアメリカで働けるし。理系のようにビザがちゃんと出やすい分野じゃないと責任は持てないけど、アメリカでもし働きたかったらマスターはおすすめです。僕も最初どうするかわからなくて、マスターでも取るかと思ってアメリカに来て、そのまま残ってます。あと、理系の場合はあまり英語の壁は関係ないですね。

編集部:え、そうなんですか?

夏彦さん:文系はわからないですが、理系は関係ないと思います。僕は数学とコンピューターサイエンスをやってたけど、英語は全然しゃべれない状態で来てもほんとに困らなかったですから。

晶子さん:留学生がたくさんいるので、そんなに英語の平均レベルが高くないというか、全くついていけないということはないと思います。ただ、授業とかは問題ないけど、例えば研究室でみんながすごく楽しそうに話してるのとかには、最初は入れないかもしれないですね。

夏彦さん:たしかにくだらない話の方が難しいよね。子供の頃にアメリカでやってたテレビ番組の話とか全くわからない (笑)

晶子さん:私が今の仕事をしてて思うのは、ビジネス交渉でも先方が何を心配しているのか、何に一番興味があるのかとかのニュアンスを察するのがすごく重要なんですね。それはやはりこちらの学校に行っていたから分かるようになったわけで、そういったニュアンスは早く来た方が習得しやすいと思います。

夏彦さん:だた、アメリカのマスターは、マスター論文とかなくてほんとに詰め込みの勉強ばかりをさせられます。日本の高校生の受験勉強みたく、授業がいっぱいあって、試験試験試験という感じで。だから勉強が得意な人だったらすごくおすすめ。勉強が苦手な人はマスターに来たら大変なことになる (笑)

編集部:それはおそらく日本のマスターでも一緒です (笑) では、晶子さんからも何かメッセージいただけますか?

晶子さん:メッセージとしては、インターンシップとか興味がある人がいたらぜひ言ってほしいです。私は自分が学んできたこととかを若い世代に伝えたいと思っているので、そういう意味でインターンだと機会を与えられるし、私もやりがいを感じられるので。ちなみに、マシンラーニングが今回成功したのもインターンの子のおかげです (笑)

編集部:良い意味で循環ができてますね (笑)

晶子さん:そう、インターンのためにプロジェクトを組むと、それが我々にとっても、良いきっかけになるんです。そういうきっかけがないと、我々は日々これをやらないといけないというのに気を取られてしまうので、もし迷っている人がいればぜひ来てほしいです。

まとめ

今回はバイオ領域で日米を繋ぐかたわら、AI × バイオ等の最新テクノロジーを活かした自社開発にも取り組んでいる InfiniteBio の二村晶子さんと二村夏彦さんを取材しましたが、研究の道からビジネスサイドへと転換した経緯や、起業直後のリアルな失敗談など、普段なかなか聞くことのできない話をお聞きすることができてとても面白かったです。たとえビジネスの道を歩んでいても、常に自分自身がやりたい研究を心の中に持っていて、今まさにその研究への取り組みを加速させているお二人の言葉からは大きな刺激をもらいました!

▼この記事を読んで InfiniteBio でのインターンに興味を持った方は、こちらから晶子さんか夏彦さんに直接連絡してみてはいかがでしょうか。
http://www.infinitebio.com/j/contact.html

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1990年6月8日生まれ。埼玉県川口市出身。
2013年、一橋大学商学部経営学科卒業。株式会社SpeeeにてSEOやWebマーケティングのコンサルティング等に3年半従事したのち、イノベーションの最先端であるシリコンバレーでチャレンジしたいと考えて渡米。現在は、UC Berkeley Extensionにて経営とプロジェクトマネジメントを専攻。
座右の銘は「やらぬ後悔よりやった後悔」。

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