エンジニア・投資家・サッカー選手という3つの顔を持つ男の『超戦略的生存戦略』

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英語が出来なすぎてブチ切れられる

編集部:とはいえ、やっぱり英語が喋れないと来てから大変じゃないですか?(笑)

酒井さん:全然わからなくて大変でした(笑) 例えば、現地で仲良くなった社員の家に招待された時に、道が分からなかったんですよ。だから電話で聞いてたんですけど、彼は「Where are you?」って聞いてるのに、私には「Who are you?」にしか聞こえなくて、ずっと「I’m Jun. I’m Jun.」って言い続けてたら、「だからどこにいるんだよ!」って相手が怒って電話を切るみたいなこともありましたね(笑) ただ、そういう経験を積むと英語の伸びるスビードもぐっと上がりますよ!

編集部:それは…(笑)

酒井さん:あとは、あえてサービスセンターのオペレーションの人に意味もなく電話したりしましたね(笑)

編集部:なんですか、その英会話ハックは(笑)

酒井さん:何度も怒られて切られましたけど。。。でも、タダじゃないですか(笑)

編集部:めっちゃ迷惑なやつじゃないですか(笑) ちなみに、どのタイミングで英語ができるようになったんですか?

酒井さん:今もあまり得意じゃないですね。やっぱりエンジニアの場合、英語よりもプログラミング言語ができる方が重要なので。会社に行っても朝5分だけミーティングして、その後はずっとプログラミングというようなケースも多く、あまり仕事で英語を使う機会もないです。

あとは今ってチャットが流行ってるじゃないですか。だから、チーム内で問題が起きても結構チャットで済ませるので、ある程度英語ができるようなってからは勉強もあまりしてないですね。なので、例えばITと全然違う分野の人と話すと今でも全然わからないです。もちろん、セールスとかだと英語が使えないとダメですけど、今の自分にはこれ以上必要ないので。

編集部:たしかに、エンジニアだとプログラミング言語が共通言語って言いますもんね。

リーマンショックを乗り越えSplunkへ

編集部:そこからSplunkに転職した経緯を教えていただけますか?

酒井さん:初めは日系の企業にいたんですけど、2008年のリーマンショックで倒産してしまって。それで、早く仕事を見つけないと違法滞在になってしまうということで、1週間に200通ぐらいレジュメを出して、返事が来たのが2件で、うち1件はH-1Bビザの時点でダメで。。。というのも、アメリカ政府的にも外国人ではなくアメリカ人を雇いなさいという感じだったので。

編集部:そうなりますよね。

酒井さん:そのもう一件がたまたまNTTの研究所で、ちょうど日本人で日本語と英語がわかる人を探していたので、バッチリフィットして、事情を説明したら即日面接してくれて、内定もその日にくれたんです。なので、私はかろうじてアメリカに残れました。

編集部:間一髪だったと。

酒井さん:仕事が見つからなくて日本に帰った人も結構いましたね。

編集部:結構大変だったわけですね。

酒井さん:それでNTT研究所で少しお仕事をさせてもらってSplunkにアプライしたんですけど、シリコンバレーの場合、企業が上場 (IPO) する時って噂になるんです。例えば、Facebookが上場する前はGoogleからエンジニアがどっさり流れたりとか。それで、Splunkも来るんじゃないかという感じだったので、それを狙ってアプライした感じです。
*IPO (Initial Public Offering) とは、未上場企業が証券取引所に上場し、誰でも株取引ができるようになること。

編集部:それは実際に上場したんですか?

酒井さん:転職したら一週間後に株式上場しました(笑)

Splunk Prices Initial Public Offering | Splunk Inc.

編集部:すごい(笑)

酒井さん:人事がプレIPO*で今これぐらいだからって話をすれば、もう上場するなんてわかるじゃないですか、受けに来た人は。そういうのが噂になるので色んな人と友達になっておけば上場する企業っていうのが分かりますよ。
*プレIPOとは、IPO目前の状況を言う。

編集部:入る時にストックオプション*はもらったんですか?
*ストックオプションとは、株式会社の経営者や従業員が自社株を一定の行使価格で購入できる権利。

酒井さん:私は1週間前だったのでそんなにもらえなかったんですが、例えば、5年前に入っていれば5億円。4年前だと4億円みたいな感じですね。だから、ランチの会話も車買ったとか、世界旅行行くとか、レストラン買ったとか。しかも2件目みたいな(笑)

編集部:もはや靴感覚ですね(笑)

酒井さん:だいたい上場した直後の会社って社員が働かなくなるんですよね。みんないつクビにしても良いよ的な感じなので。だから、企業もそれを知っているので、上場直後は給料を上げてエンジニアを採用するんです。産業もホットなので、そういう理由でSplunkの給料がアメリカで4番目に高いんです。

編集部:じゃあ、採用基準も甘くなったりするんですか?

酒井さん:そうですね。私の時は上場前だったので、面接も8回で結構コーディングの質問もされたんですが、上場後は簡単な面接で入れちゃうみたいな感じでした。だから、上場した直後の会社に入るのも一つの手かもしれないですね。

編集部:それはかなり戦略的ですね。

Splunkのオフィスには卓球台やバーなどもある

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SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はシリコンバレーのIT企業で仕事中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

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