創業メンバーは超豪華!? – Junifyで働く28歳の若き奇才CTO浜田卓さん

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今日は、Indeedに日本人初の新卒エンジニアとして採用された経験があり、元『Branding Engineer』のCTO、そして現在は楽天元CTOの安武弘晃氏とともにシリコンバレーで新たなプロダクトの開発に挑む『Junify』 CTOの浜田卓さん (たかしさん) にお話を伺いました。

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浜田 卓 (Takashi Hamada):
2014年、東京大学大学院でコンピュータサイエンスの修士号を取得。新卒で、日本のIndeedに就職し、主にバックエンドのソフトウェアエンジニアを務める。2015年、Branding EngineerにCTOとしてジョインし、リクルーティング関連のプロダクト開発に従事。2016年より、米国パロアルトにてSaaSのマネージメントツールを提供するJunifyのVP of Product Developmentを務める。

スマホメインで仕事するのが当たり前の時代になる?

取材場所:Menlo Park St.近くにあるKyosho Sushi

編集部:早速なんですけど、今ってどんなお仕事をされてるんですか?

たかしさん:実は今の会社はステルスで開発をしてるタイミングなのでまだ情報公開はそれほどしてないのですが、Junifyという会社でSaaSを作ってます。企業の方に月額課金で使っていただけるようなサービスで、今はその会社でCTOをやっています。

編集部:SaaSというとセールスフォースのようなイメージですか?

たかしさん:僕らのSaaSは普段PCを使って仕事をしていないデスクフリーワーカー、例えばウォルマートの店員さんや飲食店の店員さんなどが個人のスマホ経由で使える社内情報システムですね。あとは、GPSを活用することで、セールスの人が外回りの時にちゃんと相手先を訪問しているのかをチャックできたりもします。

編集部:それは便利そうですね。

たかしさん:これらはほんの一部の機能なんですが、そういったIT化が進んでいない業界の効率化をしていきましょうというのが我々の狙いですね。

編集部:そうした業界でIT化が進まない原因は何なんですか?

たかしさん:今の情報システムって大きい会社がバーンとSIerとかに自分の会社に合うようなシステムを作ってもらうのが普通なんですが、実はこれには2つ問題があって、まず1つ目が、大きいシステムを作る体力がない会社はIT化ができないということですね。2つ目は、仮にお金があってセールスフォースのようなSaaSが使えたとしても、PCがないとサービスが使えないということです。そこで僕らは普段仕事でPCを使わない業界の人でも、個人が持ってるスマホ上で使えるサービスを作りたいと思ってます。

編集部:なるほど、それでモバイルのSaaSならそれが解決できると。

たかしさん:みんな昔はPCを使ってたけど、今はもうスマホでブログや動画を見てるじゃないですか。コンシューマの世界で起きたことは必ずビジネスの業界でも起きているので、あと何年かしたら大部分の人がスマホメインで仕事をする時代が来ると思いますね。なので、僕らはそこに張ってるという感じです。

編集部:先程、個人のスマホのGPS情報を使って場所を管理するという話でしたが、プライバシーって大丈夫なんでしょうか?

たかしさん:あ、それは超いい質問ですね! 僕らはそこをすごく大事にしていて、詳細はまだお話できないんですが、「自分が働きますよ」という時だけ通知できる仕組みを用意しています。オフィスにいる時のように、誰がどこで何をしてるのかが分かる世界をリモートワークでも実現したいと考えています。

編集部:おー、それができたらすごいですね! それだと勤怠管理とかにも使えそうですよね?

たかしさん:まさにそうですね。勤怠管理とかも含めたバックオフィス側の業務を全般的に効率化していくイメージです。このサービスはもう少しでローンチする予定なので、そうすればもう少しイメージが湧くようになるかと思います。

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創業メンバーは元楽天CTO?

編集部:そういえば、楽天元CTOの安武さんと一緒にやっていると伺ったのですが、その情報ってステルスなんですか (笑)?

たかしさん:いえ、それは出しても大丈夫です (笑)

編集部:安武さんとはどういった経緯で出会ったんですか?

たかしさん:前の会社のBranding EngineerでCTOだった時に、都内のスタートアップCTOたちの集まりで初めてお会いしました。その時、アメリカで新しいビジネスをやるという話を聞いて、僕もちょうど新しいチャレンジを検討していたのと、Indeedの時のようなグローバルな環境でまた仕事がしたいと思っていたこともあって、意気投合したという感じですね。なので、会って一週間後とか二週間後にはもう一緒にやることになってました (笑)

編集部:マジっすか!?  すごい勢いですね (笑)

たかしさん:はい、結構スピード感ありましたね (笑)  個人的に今回のは、パッと行ったほうがいいと感じたので、すぐに決めました。

編集部:実際に安武さんと仕事してみてどうですか?

たかしさん:安武さんは楽天が十数人の頃から一万数千人になるまでずっと組織づくりをしてきた方なので、会社がどのフェーズでどんな問題に直面するのかを熟知してて、組織のスケールのさせ方は勉強させてもらうことが多いです。まだ会社が小さくて安武さんが知ってる知識のほんの少ししか教えてもらってないんですけど、今後会社が大きくなったらそういうのを知れるという楽しみはありますね。

編集部:じゃあ、今って安武さんがCEOなんですか?

たかしさん:いや、ダスティンという別のアメリカ人がCEOをやってます。安武さんもCo-Founderなんですが、安武さんはCOO兼CSO(Chief Strategy Officer)という感じですね。そうはいっても、スタートアップなのでタイトル関係なくみんなやれることはやってますが。

編集部:CEOのダスティンさんもエンジニア出身なんですか?

たかしさん:全然違くて、完全にビジネスサイドですね。安武さんもわりとシリアルアントレプレナーというか、大きい成功をしてまた再度チャレンジしてる感じですが、ダスティンも面白くて、今のJunifyが四社目なんですけど、前の三社は全部バイアウトかIPOをしてます。2つ前の会社をナスダックに上場させたときは、上場準備に必要なファイナンスを全部自分1人でやったとか言ってましたよ (笑) もう寝れなかったみたいなこと言ってましたが (笑)

編集部:まじか (笑) 上場準備って普通大変すぎて、上場準備用の専用チームとか作って4,5人でかかりっきりで対応するみたいなイメージですけどね (笑)

たかしさん:まぁちょっと日本の上場準備とは事情が違うのかもしれないですけど、それにしてもすごいですよね。

編集部:てか、創業メンバーめっちゃ豪華じゃないですか (笑)

編集部:そうですね (笑) そういうこともあって、まだ小さいスタートアップなのに、書類とかはすごくちゃんとしてますよ (笑) 「この書類は今やっておかないと後々揉める」みたいな (笑) 契約書とかもかっちりしてるし。

編集部:たしかにプロダクト以外の部分のオペレーションで無駄に時間がかかるのはもったいないですもんね。

たかしさん:はい、そこはすごく頼もしいですね。なので、僕と安武さんはプロダクトの開発に集中できるようになってます。

外資系IT企業から創業間もないスタートアップに転職

編集部:今の会社って三社目でしたっけ?

たかしさん:そうです。一社目がIndeedで、二社目がBranding Engineerです。実は、IndeedからBranding Engineerに転職する際はすごく怖かったんですよね。外資系のグローバル企業と立ち上げ直後のスタートアップだと、給与や待遇においてどうしても見劣りしてしまう部分があって。

編集部:何が決め手だったんですか?

たかしさん:その当時はまだ25歳で子供もいないし、結婚もしてないしで、こういう決断できるのは「今しかない!」と思ったのが決め手ですかね。あと、ゼロからイチを創っていくところにも興味がありました。プロダクトのゼロイチと組織のゼロイチには今もすごく興味があります。

編集部:Branding Engineerに入った時って、まだ創業間もない感じだったんですか?

たかしさん:そうですね。僕が入った時はオフィスとして利用していたマンションの一室に3,4人しかいなかったですね。ちょうど僕がいた一年間で二回移転して、今は社員も70名くらいまで増えて、オフィスも200坪くらいの広さになってます。なのですごく会社としての成長は感じることができました。どんどん売上も上がっていったので。

編集部:じゃあ、もともと起業への興味はあったんですか?

たかしさん:めちゃくちゃありました。そもそもIndeedに入る時にIndeedの同期の友達とEdtechのプロダクトを作って起業したいと思ってたくらいなので。

編集部:やはり、親の影響とかもあるんですかね?もしくは、マーク・ザッカーバーグとかエンジニア発の起業家がバンバン出てきて興味を持ったとか?

たかしさん:実はそこらへんは全く関係なくて、どちらかというと昔から子供ながらに日本って社会の仕組みが色々とおかしいなと思ってたんですね。っていうのも、日本ってスタンダードが多くて、こうあるべきみたいなのがすごく多いじゃないですか。自分はそういうルールに従うのが嫌いで、この社会のルールに従わないようにするにはどうしたらいいのかを考えた結果、俺ルールでできる環境を作ればいいんじゃないかと思ったんです。だから、誰かに憧れてというよりは、自分から湧き出てくる欲求に従ったという形ですね。

編集部:自分のやりたいことや興味があることをいろいろ考えていくと、エンジニアで起業していくという道にたどり着いたと。

たかしさん:そうです。実は僕、就職の時はアメリカの会社しか見てなかったんですが、それは自分で作らなくても自分が求める環境がそこにあると気付いたからなんですね。だから、はじめは起業じゃなくてこっちでいいやとなったんです。

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