英語に苦労したバーミンガム大学院
編集部:そのあと、イギリスのバーミンガム大学で修士号を取られていますが、それはどういう経緯だったんですか?
吉田さん:国連に入るためにはマスターが必要だと言われていたので、絶対取らないといけないわけですよ。そして、世界中で一番早くマスターが取れるところを探し回った結果、それがたまたまイギリスだったんです。
編集部:どれくらいで取れるんですか?
吉田さん:イギリスだと1年ですね。
編集部:1年!?
吉田さん:もちろん学校にもよりますが、たしか日本が2年、アメリカが2年、オーストラリアが1年半、イギリスが1年という感じで、絶対イギリスが良いって。
編集部:間違いないですね。
吉田さん:あと、サッカーが好きなので、毎週プレミアムリーグに行けるっていう、そんな特権もありました。
編集部:それ、めちゃくちゃ良いですね!
吉田さん:それで、国際協力に興味があったので、Master of ScienceのInternational Development with Mediaで修士号を取ったわけです。なので、どうやってエンターテイメントを使って貧困を解決していくかということを勉強してました。
編集部:ちなみに英語は大丈夫だったんですか?
吉田さん:あっ、それ聞いてくれますか?(笑)
編集部:はい、ちょっと気になって…
吉田さん:日本人ってアメリカ英語を学習してきたわけじゃないですか。そして、イギリスのバーミンガムって、日本の東京・名古屋・大阪でいうと、大阪みたいなところなんですよ。
東京ーロンドン、大阪ーバーミンガム、名古屋ーマンチェスターみたいな。それくらいの都市の規模感で、もうアクセントもひどくて、、、
これは全然誇張してないんですが、相手が英語を喋ってるのか、中国語を喋ってるのか、スワヒリ語を喋ってるのかすら分からない、それくらい癖が強かったんです。
編集部:え、そんなに癖あるんですか?それ、授業はついていけたんですか?
吉田さん:何言ってるか全く分からなかったです(笑) ただ、めちゃくちゃ仲良いインド人がいたので、彼に「今の90分の授業を、めちゃくちゃ優しく、ゆっくり、そして分かりやすい英語で、しかも10分で教えてくれ」って言って(笑)
編集部:そんな無茶苦茶な(笑)
吉田さん:でも、彼がまたそれを10分、15分でやっちゃうわけなんですよ。
編集部:おお、すごいですね!
吉田さん:むちゃくちゃ頭いいやつで、毎回このインド人のジョンに「もう一回授業してもらっていい?」ってお願いしてましたね。でも、大学院なので5人でグループディスカッションとかあるわけですよ。
もうみんなが何を話しているのか全く分からなくて、笑うしかないですよね(笑) ジャパニーズスマイルとか言いますけど。メンバーに「猛はどう思うんだ?」って聞かれても、「I think it’s OK.」みたいな、なにがOKなんだよっていう(笑)
でも、当時は必死こいてやってたので、僕は今アメリカに来て8年くらいになりますけど、今でもまだイギリス英語の方が聞き取りやすいですね。
編集部:死に物狂いで吸収した言語だったわけですね。ただ、インド人の英語も結構クセ強いのに、よく乗り切りましたね。
吉田さん:そこはグッドポイントで、彼の英語も難しかったですが、ギリギリ分かる感じで。そして、面白かったのは、彼の生まれ育ったインドのエリアは「俺のものはお前のもの、お前のものは俺のもの」文化だったので、ランチで弁当とか持っていくと普通に僕のを食べ始めるわけですよ。
ちょっと待ってみたいな(笑) これ僕のですって言うと、俺のを食えみたいな。かなりスパイスの効いたカレーみたいなやつを、匂いう〜んってなりながら食べたり、そんな感じの楽しい大学院でしたね。
編集部:じゃあ、インドでは当時からシェアリングエコノミーが浸透していたわけですね!
吉田さん:そういうことにしましょう!
一同:(笑)
編集部:その修士号を取られたあと、ガーナに行ってますよね。これは何があったんですか?