Panasonicを使いこなす、圧倒的に。

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生産技術者がMBAを取るということ

編集部:そこからグロービス経営大学院大学 (GLOBIS) でMBAも取られていますが、これはどういった理由で取ろうと思ったんですか?

中村さん:昔パナソニックがプラズマテレビの事業で失敗したことがあって、その時に2期連続で数千億円くらいの赤字を出して、潰れる直前までいったことがあるんです。

私が入社した当時勤務していた会社はその直前にパナソニックに吸収合併されたばかりでした。そのときに、自分の周りではリストラはなかったんですが、プラズマテレビの事業部門ではバンバン人を切っていると報道されていて、メディアからもかなりパナソニックが叩かれていたんです。可能性がある企業なので、本当はもっとできるのにと悔しくて。

編集部:歯がゆさがあったわけですね。

中村さん:結局プラズマテレビの事業が失敗したのは商品企画のせいなんじゃないかと思って、これから挽回するためには、どんどん売れるプロダクトを作らなきゃいけないと思ったんです。

でも、工場で働いてるとどうしても「決まったプロダクトをいかに早く作るか」というのが大事になるので、上司に「俺に商品企画をやらせて下さい。売れる商品を作って持って帰って来ます!」と言っても「ダメです」って言われたんです。まあ、そりゃそうですよね。工場の経験しかないんですから。

編集部:それでMBAを取って商品企画側のことも勉強しようと思ったわけですね。

中村さん:そうです。なので、最初はMBAまで取る気はなかったんですが、授業に行ってみると意外と面白かったのと、自分自身が伸びているのも実感できたので、そのまま通い続けてMBAを取った感じですね。

編集部:それでビジネスと開発両方の視点を持って、今の新規事業開発にも取り組んでいると。

シリコンバレーで学んだこと

編集部:そこからシリコンバレーに来られていますが、渡米した際に苦労はなかったんですか?英語は大丈夫だったんですか?

中村さん:英語はある程度できたので、英語の苦労はなかったですね。でも、これはシリコンバレー特有の話ですが、こっちだとパナソニックって言っても「なにそれ?」みたいな感じで会社の名前に何の強みもないんですよ。

例えば、日本人って「〇〇大学の」とか「〇〇会社の」って言いがちじゃないですか?僕も最初はそんな感じで話してたんですが、全然仕事にならなくて…

編集部:逆に彼らは何を見ているんですか?

中村さん:僕が後々気づいたのは、会社とかじゃなくて、その人がやっているプロジェクトやプロダクトの魅力、あとは「俺はこいつと働きたいか」みたいなのをみんなシビアに見てるんですね。

やはりこのエリアだと、僕と打ち合わせをした後に、例えばGoogleの人と打ち合わせがあったり、夜はSAPの人と打ち合わせがあったりということがあるわけですよ。そして、その中で勝っていかないといけないので、そこに気付くまではすごく苦労しましたね。

編集部:そこはどうやって乗り越えたんですか?

中村さん:それこそトライ&エラーで、自分のポジショニングとかパナソニックのポジショニングをこういう風に見せるといったことが自分の中で固まったので、そういう感じでやってますね。もちろん、それでもそんなに打率は高くないんですけどね。

編集部:ただ、会社の名前ではなく、プロジェクトの魅力であったり、人としての魅力が大事だという気付きは大きかったわけですね。

中村さん:そこは大きかったです。これは、私が尊敬している田坂広志さんが重視されている「人間力の世界」で、日々の地道な努力の結果が自然と現れて、相手に伝わってしまう部分です。

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SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はシリコンバレーのIT企業で仕事中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

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