シリコンバレーから世界中で使われるプロダクトをリリースし続けるPMが語る #プロダクトマネージャーの真髄

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現地の文化を理解することが大事

編集部:世界180カ国で展開しているということは、開発時に多様性や異文化の理解も大事になると思うんですが、そこで何か気を付けていることはありますか?

曽根原さん:例えば、5月から先月半ばまでイスラム圏ではラマダンという断食の期間が続いていましたが、その時はそういう人たちを尊重したマーケティングの打ち方とかビジュアルデザインになるように気を付けていましたね。

あとは、180カ国ほど展開していると、やはり全て個別に対応するのは無理なので、ある程度国にプライオリティを付けてやってます。どの国を最初のターゲットにして、二番目はどこで、三番目はどこみたいな。

編集部:今伸びているのが東南アジアということは、そういったところにプロダクトマーケットフィットというか、向こう側の文化も加味してやっていくということですか?

曽根原さん:そうですね。東南アジアというのはインドとかインドネシアのことですが、ただアメリカ流を押し付けるだけではダメなので、ローカライゼーションというのは大事ですね。

編集部:そこはどうやっていくんですか?

曽根原さん:そこは現地でコントラクター (契約社員) やコンサルタントなど色んな人を雇って、現地の生の声を吸い上げられるような体制を作ってますね。あと、うちはコミュニティを作っているソーシャルな会社なので、インド人のユーザーのコミュニティがあったりするんですよ。

いわゆるFacebookページとかなんですけど、そういうところでユーザーがどういうフィードバックをしていて、どんな音楽が流行っているのかなどは見れるので、そういうのを見ながらローカライゼーションしていく感じですね。

編集部:そこは現地の人に現地の声を吸い上げてもらうということですね。ちなみに、アプリ自体は国によって違うんですか?

曽根原さん:大きくは変わらないですけど、コンテンツは国に根差したものを提供してますね。例えば、インドのユーザーに中国の曲ばかり流しても意味ないですからね (笑)

同様に、日本のユーザーにアメリカのコンテンツばかり流しても日本人はそっぽを向くので、ローカライズされたコンテンツというのは非常に大事です。

幅広い観点が求められるPM

編集部:PMってアプリを開発・発展するだけじゃなくて、経営者側の意図も汲み取らないといけないと思うんですが、そこはビジネスサイドとコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めてるんですか?

曽根原さん:そうですね。BizDev (ビジネス開発部) とかは「こういうサードパーティがあって、一緒にこれやったら伸びるかもしれない」みたいな話を持ってくるんですが、それを本当にやるやらないはPMの判断なんです。

編集部:裁量権はPMが持っていると。

曽根原さん:そうです。おそらく大抵のシリコンバレーにある会社はそうだと思います。とはいうものの、彼らの意見を無下にすることもできないので、うちではビジネスユニットの外側から来るリクエストを裁く別のチームがいるんです。

あと、何をどの順番にやっていくかというプライオリティを振り分けるPMがいて、そういう人たちと話し合いながら決めていくという感じですね。

編集部:プライオリティづけはPMにとって会社のリソースを振り分けるための大事な役割なんですね。ただ、シリコンバレー近辺だとエンジニア上がりのPMが多いから、ビジネスのことはあまり分からないという人もいると思うんですが、曽根原さん自身はそこに関して苦労されなかったんですか?

曽根原さん:ここは僕がどうやってPMになったかにリンクしているんですが、ご存知の通りPMって色んな観点を理解してないといけないんですよ。そして、僕もエンジニアから上がってきた人間なので、最初はマーケティングの観点とかデザインの観点がすごく弱かったんです。

でも、PMになろうとした時に、色んな観点で物事を捉えられないとマズいと思って、色んなコースを取りまくったんです。それで慣らしていったという感じですかね。

編集部:そのコースというのは何ですか?

曽根原さん:例えば、スタンフォード大学が提供しているコースとか、MITが提供しているコースとか、いわゆるプロフェッショナルエデュケーションとかエグゼクティブデュケーションと呼ばれるものです。

ああいうコースを沢山とって、出来るだけエンジニアの世界で閉じないで、違う観点を取り入れたり、違うエリアを勉強するように心がけてます。

編集部:たしかに、曽根原さんの経歴すごいですよね!スタンフォードだったりMITだったり。

過去には数多くのコースを修了されている [参照: LinkedIn]

曽根原さん:シリコンバレーのPMの世界って結構学歴が優先されることもあるんです。例えばAmazonだと露骨にMBAホルダーを募集していたり。逆に僕はそういうのを持っていないので、違う戦い方をするしかないんです。

実際、MBAを持っているからといってデザインが強いわけでもないですし、SQLのクエリが書けるわけでもないですよね。だから、逆にいうと違う観点でPMの在り方を作っていくというのは結構大事で、それがPMとしての独自性に繋がったりするんです。

編集部:肩書だけでのMBAホルダーではなく、広い視野と深いスキルで独自性を極めていくということですね。

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SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はシリコンバレーのIT企業で仕事中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

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