「アクションを起こし続けることが大事」GFR Fundに聞く シリコンバレー村社会への入り方

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アクションを起こして認知を広める

編集部:それは例えばどんなことですか?

古森さん:例えば、この前僕らがオーガナイザーになってAR関連のイベントをやったんですが、あれもそのことをすごく意識しているんです。

要は、僕らがオーガナイザーになることで、少なくとも他の投資家やスタートアップからは、「僕らのVC = ARの産業を盛り上げるために自分たちでアクセルを踏んでいる集合体」という認識が強まるわけです。いわゆるブランディングですね。

日本に限らずアメリカ国外のVCには、企業にお金を入れるだけとか、ひたすら紹介だけしてもらってお金を入れるだけというところも多いと思うんですが、やはりシリコンバレーで生きていくためには、自らがシリコンバレーのコミュニティとかネットワークに働きかけて、自分たちでその産業をドライブしていくんだというアクションが大事ですよね。

そうすることによって、スタートアップ側も「あのVCはVR/ARにすごく投資してるから紹介してくれ」と他の投資家に頼むかもしれないし、「あのVCはあのイベントをやったところだよね、知ってる知ってる」となるかもしれないわけです。

僕らがやったイベントには240社の応募が来たんですが、そうすると「僕らのVC = 240社が応募したイベントのオーガナイザー」というブランドができるので、他の投資家からも「ちょっと意見を聞きたいんだけど…」といったポジションに立ちやすくなるんです。

編集部:そう考えると、やはりアクションを起こすのってめちゃくちゃ大事ですね!

古森さん:なので、とにかく一定のアクションを起こすこと、そして、それをずっとやり続けていくこと、この二つがシリコンバレーの村社会に入っていく上ではすごく重要なのかと思います。

とはいえ、最終的には「あのVCにお金を入れてもらえれば、スタートアップは必ず成長する」という状態になるのがベストなので、意識しなきゃいけないのは、投資した後にスタートアップを育てて、ちゃんと実績を出していくことなんですけどね。

やはり、それがVCの本業だと思いますし、その域にたどり着いているUS外の投資家というのは相当珍しいんじゃないかと思います。

ただ、一度そういったブランドができれば、シリコンバレーの村社会でも、「ARの案件だったらあのVCにお願いしよう。そうすればちゃんとスタートアップを育ててくれるだろう」という風になるんじゃないかと思います。

結局、上の人たちが勝ち続ける?

編集部:例えば、ティア1の有名なVCが投資したからメディアにも取り上げて成功するみたいなことってないんですか?要は、投資して成功させるんじゃなくて、有名なところが投資したから成功するみたいな。

古森さん:ん~、否めないですね。まあVCとしては投資する以上、最終的なリターンを残さなきゃいけないので、成功率を高めるためにはそういった存在になっていくこともすごく重要ですよね。

編集部:もちろん、ティア1のVCが投資するとなると、それなりに技術があって、投資するだけの要素が揃っているとは思うのですが、いかにその情報を手に入れるかも大事だと思うんです。となると、ティア1のVCにしか出回ってない情報もあったりするんですかね?

古森さん:もう、いっぱいありますよ。例えば、VR/AR案件では、この前『Blue Vision Labs』というイギリスのARスタートアップが、Googleなどから15億円近く投資を受けたというニュースがあったんですが、この辺の情報はおそらく西海岸のVR/ARの投資家たちにもあまり出回ってなかったみたいですね。

Blue Vision Labs, which builds ‘collaborative’ AR, emerges from stealth with $14.5M led by GV | TechCrunch

ただ、他のティア3、ティア4にいる投資家たちも気づいていなかったみたいなので、そういうことはよくあります。

編集部:上の人たちはどこかから情報を得ているわけですね。

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SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はシリコンバレーのIT企業で仕事中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

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