「アクションを起こし続けることが大事」GFR Fundに聞く シリコンバレー村社会への入り方

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英語力を鍛えるビール2杯チャレンジ

古森さん:こっちだと毎日どこかしらでミートアップとかイベントやってるじゃないですか。だからそういうのに積極的に参加して、大体会場はバーなんですけど、まず着いたらビール1杯を速攻で飲むんですね。そしたら、もう1杯オーダーして、それを持って話して回るんです。

やっぱり、アメリカ人と話せない恐怖心みたいなのってあるじゃないですか。でも結局、アルコールを飲むと喋れる喋れないに関係なく、話しかけやすくなるんですよ。あと、ネイティブとは言え、酔っ払ってしまえばテキトーなので。

編集部:たしかにそれはありますね。

古森さん:これを週に2~3回くらい、1-2年くらい続けましたね。そのせいですごくビールに強くなりました。

編集部:あ、そっちですか(笑)

古森さん:ビール大好きになるし、強くもなるし。もちろん英語もうまくなりますけど。だから、ビール2杯じゃ酔わないという人は別に3杯でも4杯でもいいんですが、ビール2杯チャレンジはかなりオススメです。

編集部:その英会話ハックめっちゃ良いですね!たしかに、実際にアメリカ人とか英語がネイティブの人と話さないと英語力は上がらないって聞きますよね。

古森さん:だから、ビール2杯チャレンジは英語の上達に相当貢献したし、チャレンジしない夜は勉強したので、そういう複合的な要素で英語力を伸ばしましたね。

古森さんがまとめた『英語が喋れるようになるまで(社会人編)』も要チェック!

編集部:なるほど、色々と英語に関しては努力されたわけですね。ちなみに、その後VCで働き始めてますが、これは何があったんですか?

古森さん:色々とあったので、ここでは言えないことも多いんですが、一つあるのはビジネスサイドというか、営業とか外回りがやってみたかったというのはあります。

編集部:人と話すみたいな?

古森さん:そっちの方が近いですね。そんな感じです。

編集部:たしかに就活の時はIT系の営業を志望してたって言ってましたよね。そのあたりは色々とあると思うのでオフレコにしますね。

今後のキャリア観

編集部:では、エンジニア、VCと来て今後のキャリア観についてお伺いできますか?

古森さん:やはり、何をするにしても今いるVCのティアを上げてくことが僕の財産になると思うので、半年とか1年のショートタームでは、投資家とのネットワークや信頼をもっと築いていきたいですね。

ただ、VR/ARだけじゃなくて、ブロックチェーン、AI、eSport、ビデオストリーミング、スマートスピーカーなどもトレンドがきてるので、その辺の情報も広く知れたら良いなと思います。

あとは、以前主催したイベントのように、ちゃんとアメリカ人のオーディエンスを集めて、僕らがVR/ARもしくはその他の産業の中心に居続けられるよう積極的にアクションしていきたいですね。

編集部:そういうブランドを作っていきたいと。

古森さん:そうそう。そうすると、外のファンドから「あのファンド、よく目にするな」ってなると思うんですよ。

やっぱり、どんなに大したことない人でも100人の前で喋ってたら「この人すごい」ってなるじゃないですか。そうなったら大した人じゃなくても名刺が集まるし、いずれはすごい人になっていくんです。

編集部:背伸びして成長するというか、積み重ねですよね。

古森さん:そうですね。そして、3-4年のミッドタームでいうと、やっぱり日本人の僕にしかできないことがあると思うので、そういうのをやっていきたいですね。それが今の仕事の延長にあるのか、転職なのか、はたまた起業するのか、そこら辺はまだわからないですが。

編集部:自分にしかできないことをやっていきたいと。

古森さん:そうすると40歳くらいになるので、40歳以降は完全に社会奉仕になりますけど、日本の若い人たちをシリコンバレーのスタートアップにどんどん放り込んでいくみたいなことをやりたいですね。

僕はアメリカに来たとき英語もできなくて、人脈もなかったので色々と苦労したんですが、僕が40歳になる頃にはもう社会に出て20年になるわけですよ。

でも、初めから答えを知ってればおそらく3年とか5年で十分なので、そういったことを次の人たちに教えていけたらなと思います。

あと、僕の先祖は300年続く富山の農家なんですけど、その次男坊がアメリカに来たので、富山もうまく繋いでいきたいなと思います。いずれにせよ40歳を超えたらそういうことをやりたいですね。

編集部:そこは地元愛ということですね!

メッセージ

編集部:では最後に、海外で挑戦したいと思ってる人に何かメッセージをもらえますか?

古森さん:もし、自分が死ぬ最期の瞬間を想像して「あのときこうしておけばよかった」って思うだろうリストに、「海外で挑戦すること」が入っているのであれば、迷わず海外に行くべきですね。

編集部:死ぬ時から逆算して考えろと。

古森さん:そうです。そして、出来るだけ若いうちに、僕の感覚では30歳より前に行ったほうが良いと思います。

編集部:それはなぜですか?

古森さん:理由は色々あるんですが、1つは家族ですね。1人だったら別に安いシェアハウスに住んで、自分の食費だけまかなえばいいですけど、家族を持つとなるとそういうわけにもいかないので。

そして、そんな中でチャレンジしていくとなると、なかなか難しいのかなと。だから、若ければ若い方がいいと思います。

編集部:たしかに家族を持つと自分だけの人生じゃなくなりますからね。

古森さん:そして、もう一つは体力です。僕の感覚では28歳まではすごくアクセルを踏めるんですよ。でも、歳を取ると徐々に徐々にアクセルが踏めなくなってくるんです。たぶん、35歳とかになると体力的にしんどくなってくるのかなと。

編集部:よく「体力的に…」っていう言葉を耳にするんですが、それって朝起きたら体が動かないとかそういうことですか?

古森さん:例えば、僕はアメリカに来た当初、毎晩2時とか3時まで英語を勉強して、次の日9時に出社するみたいな生活をしてたんですが、そういうことは歳を取るにつれて出来なくなってくるんじゃないかと思うんです。予想ですけど。

編集部:あ、そういうことですね。

古森さん:逆の考え方をすると、海外に行くという選択肢は30歳までに与えられたオプションなので、30歳以降でも日本でできるオプションは後回しにした方がいいのかなと思うんです。

編集部:若いうちにしか取れないオプションを取れと。

古森さん:あと、アメリカと海外というところでいうと、これは以前twitterにも書いたんですが、正直僕はアメリカはあまりオススメしないです。というのも、本人がどれだけ努力しても超えられない壁があるので。

編集部:ビザですか?

古森さん:そうです。結局最後は運だったり、そういうのに委ねられてしまって、せっかく2-3年アメリカにいても投資回収できない恐れがあるので。

だから、僕はヨーロッパとかの方が良いんじゃないかと思うんですよね。ドイツのベルリンはすごくフリーランスに優しいし、オランダは日本のパスポートを持ってる人は今でも優遇されているらしいですし。

100年前の条約はまだ生きていた。オランダ大使館で聞いた日本人が知らない特権|ライフハッカー

編集部:え、そうなんですか?

古森さん:詳しくは忘れちゃったんですが、条約の関係上、そうらしいです。でも、アメリカに関しては…

編集部:厳しいですよね。

古森さん:厳しい。仮に会社がH-1Bビザ (就労ビザ) をスポンサーしてくれるってなっても、そこから抽選だし、トランプ政権以降、明らかにビザに関して厳しくなったので。

編集部:たしかに、グリーンカード (永住権) の抽選プログラムとかSTEM系の学生のOPT延長も廃止するみたいな話もあるようです。

古森さん:だから、どうしてもアメリカじゃなきゃいけないんだ、2-3年投資して回収できないリスクがあってもいいんだっていう強い想いがあるとか、駐在なりで確実に5年いれる保証があるみたいなケースじゃないとなかなかオススメしないですね。

費用対効果が超悪いと思います。そして、どうしてもアメリカにこだわるんだったら、バンクーバーも良いと思いますよ。シアトルも近いし、AmazonとかMicrosoftの拠点もあるので。

編集部:以前取材したメルカリのSFオフィスでAndroidエンジニアをされている牧野直也さん曰く、カナダの場合、エンジニアのようなスキルドワーカーとして1年間働くと永住権がもらえるらしいですね。

古森さん:え、そうなんですか?もう絶対バンクーバーが良いじゃないですか!バンクーバーで働いてたら、アメリカで働いてるのと変わらないですよ。バンクーバーならすぐ飛んでこれるからチャンスもある程度広がると思うし。

編集部:なんだか、古森さんの話を聞いてると、やはり投資家目線で物事を見てるんですね。投資回収できるかとか、オポチュニティコスト (機会損失) を考えたりとか。

古森さん:時間が超重要ですからね。あと、もし機会損失を気にするのであれば、学生で来るのが一番いいですよ。学校を卒業した後にOPTをもらえるので、少なくとも1年間は仕事をしながら滞在できるし、学生生活自体は犠牲にならないので。

編集部:たしかに、僕も今OPTで仕事をしてるんですが、学生にはそれがオススメですね。古森さん、今日は色々と濃い話をありがとうございました!

終わりに

今日はシリコンバレーのベンチャーキャピタル  『GFR Fund』でVR/AR関連のスタートアップを中心に投資活動をしている古森泰さんにインタビューしました!

シリコンバレーという閉ざされた村社会でどうやってプレゼンスを出して行くのか、そしてアクションを起こし続ける重要性についてもお伺いすることができました。

今回はシリコンバレーの話がメインでしたが、個人的にはシリコンバレーだけに限らずどんな場所で何をやって行くにも大事なエッセンスだと思うので、今日お伺いしたことは忘れないよう胸に刻んでおきます。

(文・編集: 中屋敷量貴)

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SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はシリコンバレーのIT企業で仕事中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

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