ドイツ企業SAPに学ぶ #後天的なイノベーションの起こし方

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Innovation = Creativity x Execution

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坪田さん:デザイン思考を作った人の1人、デイビッド・ケリーって知ってますか?『IDEO』という世界で最も有名なデザインコンサルファームの創業者なんですけど、彼は「Innovation = Creativity × Execution」だと言いました。

Executionは日本の企業が得意なんですよ。先ほど言ったように60年間ずっとExecutionしてきたので。これはProblem Solvingと言われています。つまり、ある問題があったときに、それを解いていく体系です。

それに対して、Creativityって、なんとなく人に依存してる感じがありますよね?クリエイティブな人と、クリエイティブでない人がいそうな感じがします。でも、デイビッド・ケリーはそれを否定しました。Creativityこそみんなの心の中に存在している、全員が生まれ持つ素養だと。

そして彼が打ち出したのがデザイン思考です。デザイン思考とは、Problem Findingの手法だと言われています。解くべき問題そのものを見つける能力。解くべき問題が決まっていればそんなことする必要もないんですけど、先ほど言ったようにデジタルエコノミーで解くべき問題を見失ってる企業は多いんです。

自分たちがどういうところに身を置いていかないといけないのかわからない、60年ぶりに新規事業を起こさないといけないと。そうすると、Creativityが重要ですよね。Executionはみんな得意なので、デザイン思考を使ってCreativityが増強されればイノベーションは起きるよねと。

デザイン思考とは?

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坪田さん:つまり、デザイン思考はイノベーションを起こすためのマニュアルだとシリコンバレーでは言われています。

デザイン思考のプロセス

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坪田さん:デザイン思考のプロセスはちゃんと定義されていて、この5つのフェーズがあります。1つ目の「Empathize」というのは人に共感するということなんですけど、問題があるということは問題を抱えている人がいるということです。その問題を解いていく前に、まずその人になりきってみようというフェーズです。

2つ目が「Define」、つまり問題を再定義するということなんですけど、その人の目線に立つと、今まで考えてた問題って実はそんなに本質的じゃなかったりするんです。他に解くべき問題があるよねと。その問題を疑っていくプロセスがDefineです。

3つ目が「Ideation」というアイデア出しをしていくフェーズですが、ここでアイデアの中に正解が含まれる可能性を上げていきます。ここではもう問題自体を疑う必要はなくて、あくまでアイデアの質を上げていくということです。

アイデアをいっぱい出して、よく東海岸的なロジカル思考を得意としてる人は、出したアイデアに優先順位を付けようとするんですが、解くべき問題もわかってなかった人が、アイデアの優先順位なんて分かるわけないですよね?

デザイン思考の非常に重要なポイントは、とにかく出たアイデアを全部試すということなんです。でも、そんな時間ないじゃないですか。なので、完成品をちゃんと作って丁寧に試すのではなくて、「Prototype」でとにかくユーザーに試してもうらんです。

そして、「Test」してダメだったら次、ダメだったら次という回転をずっと繰り返していくんです。これがデザイン思考のプロセスです。

人に焦点を当てる

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坪田さん:「人に焦点を当てる」これはまずデザイン思考で非常に重要なポイントです。イノベーションは日本語だと技術革新と訳されます。だから、よく技術から入っちゃうんですが、忘れがちなのが人なんです。

つまり、この3つの円のバランスを取らないといけなくて、「Business Viability (経済的な持続可能性) 」というのは、Executionが得意な会社は問題なくて、問題は「Human Desirability (人々の欲求) 」というのがどれだけ担保されているかなんです。

イノベーティブなアイデアと言われて、売れなかったものをよく見ると、この「Human Desirability」が欠如しています。デザイン思考はそれをちゃんと思い起こさせてくれる手法だということです。人に共感して、とにかくその人の解くべき問題にフォーカスすることが埋め込まれているんです。だから、それは日本企業でも真似できますよと。

挑戦し続けること:プロトタイプ文化

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坪田さん:先ほどプロトタイプと言いましたけど、これはとにかく試す、つまり挑戦し続けることなんです。これがシリコンバレーで非常に重要な価値観で、とにかくいっぱい失敗して、とにかく前に進んでいくと。

「Fail early, fail often.」と言いますが、これはまさにプロトタイプの考え方です。Googleって実は世界で一番ボツになった特許が多い会社だと言われています。別に彼らはメンタルが世界一強い集団じゃないんです。失敗したらへこみます。

でも、彼らはなんでそうやって失敗を重ね続けて、イノベーティブでクリエーティブであり続けられるかというと、ポイントは2つあって、1つは失敗が許容されてるんです。失敗したら褒められるんですね。

もう1つは、失敗のコストがすごく低いんです。失敗をするとき、派手に清水の舞台から飛び降りるような失敗はしなくて、大怪我をする前に先に転んじゃうという仕組みが会社の中に、そして仕事のプロセスの中に根付いてるんです。これがプロトタイプなんですね。

失敗には2種類ある

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坪田さん:失敗には2種類あって、ミスを犯すことはシリコンバレーでは発明だと褒められるんです。逆にOpportunity (機会) を逃すと大失敗だと怒られるんです。では、どうやってミスを犯し続けられるか。

最も早く失敗する方法:プロトタイプ

Slide#26/30: 34:15-34:25

坪田さん:それがプロトタイプなんですね。とにかく安く早く簡単に失敗しちゃうと。これによって、次に進む推進力を得ていく。これがプロトタイプの考え方です。

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SiliconValleyWorkers編集長。愛媛県松山市出身。2016年、東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻(相田研)修了。工学修士。現在はシリコンバレーのIT企業で仕事中。座右の銘:「現状維持は衰退のもと」

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