シリコンバレーから世界中で使われるプロダクトをリリースし続けるPMが語る #プロダクトマネージャーの真髄

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この記事の所要時間: 1444

圧倒的なリソースで世界をリードするITビッグ5、日常生活を根本から変えてしまうユニコーン企業、ゼロから世の中を変えようとするスタートアップ。そんな多種多様な集合体がひしめき合い、イノベーションを生み出し続ける街、シリコンバレー。

しかし、そんなイノベーションもプロダクト抜きには語れない。そして、そのプロダクトをこよなく愛し、開発のみならずビジネスのことまで考え続けるのがプロダクトマネージャー、通称PMだ。

今日お伺いするのは、NYSE上場企業やシリコンバレーのスタートアップなど大小両方でPMを経験、B2BからB2Cに至るまでグローバルに様々なプロダクトをリリースしてきた曽根原春樹さん。

現在はサンフランシスコにある音楽系アプリのスタートアップ『Smule』にてシリコンバレーでも数少ないPrincipal Product Managerのタイトルを持っており、『プロダクトマネージャーの真髄』を伺ってきました!

▼本記事の内容 [全6ページ]
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[#1] 世界で使われる音楽アプリのPM
[#2] 現地の文化を理解することが大事
[#3] プロジェクトマネージャー ≠ プロダクトマネージャー
[#4] Hire slow, fire fast.
[#5] 文系からエンジニアになった経緯
[#6] シリコンバレーを渡り歩くコツ
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動画はこちら / Podcastはこちら

曽根原 春樹 (Haruki Sonehara):
2001年中央大学総合政策学部卒業。文系だったものの新卒でエンジニアとしてCisco Systemsに入社。のちに転職した企業がJuniper Networksに買収され、2006年にUS本社転籍を機に渡米。その後プロダクトマネージャーに転身。Viavi、OoyalaなどシリコンバレーのIT企業を経て、現在はソーシャル音楽アプリを配信するSmuleにて、Principal Product Managerとしてグローバルにプロダクト開発を指揮している。 [Twitter: @Haruki_Sonehara, はてブ: Quest PM]

世界で使われる音楽アプリのPM

編集部:早速ですが、今ってどんなことをされているんですか?

曽根原さん:僕は今Smuleに入って1年ぐらいになるんですが、その中でプリンシパルプロダクトマネージャーとして「いかにアプリを多くの人に使ってもらって収益を増やすか」というグロースの部分を担当してますね。

編集部:先日ご寄稿頂いた記事で「PMにはパイオニア、グロースハッカー、プラットフォームビルダーの3タイプある」と書いてありましたよね。

曽根原さん:そうですね。その分類でいうとグロースとプラットフォームビルダーを兼任している感じです。特に僕が担当しているのはSmuleのソーシャルカラオケアプリなんですが、このアプリはもう世界180カ国ぐらいで使われていて、マンスリーアクティブユーザーが5000万人以上いるんですよ。

世界中のユーザーたちとコラボできるのが特徴

Smuleは米ビジネス誌 Fast Company の Most Innovative Companies 2018 音楽部門 で世界第5位にランクされている。

編集部:すごい、そんなにいるんですね!

曽根原さん:特にプレゼンスでいうと東南アジアが非常に大きくなっていて、いかにもっとユーザーを集めてエンゲージを高めるかというのが一つのテーマなんです。なので、そのためにPMとしてどんな機能を入れなきゃいけないのか、どういった仕組みを組み込めば良いのかということをやってますね。

あと、僕はどちらかというとインフラ側から上がってきた人間で、例えばインドやインドネシアに行くと、日本やアメリカでは当たり前に繋がるWiFiとかモバイル回線が繋がりづらかったりするんです。

だから、そういう環境下でもちゃんとアプリが快適に使えるようにするためにはどんな仕組みを作らなきゃいけないかという、いわゆるコネクティビティの部分も僕の担当エリアです。

オフィスはサンフランシスコ市内の一角にある。

チーム体制とコミュニケーション

編集部:じゃあ、UIみたいなところからインフラの部分まで幅広く考えなきゃいけないわけですね。となると、チームにはエンジニアからデザイナーまでいるということですか?

曽根原さん:そうですね。いわゆるプロダクトチームというのは、PMを柱に、iOSエンジニア、Androidエンジニア、Webエンジニア、サーバーサイドエンジニア、デザイナー、QA、データサイエンティストといった全部で8種類の人たちが集まった集団なんです。

編集部:そうすると、コミュニケーションの量も多くなって大変じゃないですか?

曽根原さん:結局、色んなプロフェッショナルが集まって仕事をしているんですよ。そうすると、例えばデザイナーにはデザイナーのレポートラインがあって、開発エンジニアには開発エンジニアのレポートラインがあって、彼らには彼らのゴールがあるんです。

パフォーマンスレビューとかもそうですね。もちろん、それがプロダクトと結びついていればいいんですが、ちょっとずれてたりすると、ある日ある時、本来集中しなきゃいけないこととは違うことをやりだしたりする人もいるんです。

だから、そうならないようにPMが「今はこれをやってください」とか「今これをやらないと、このタイムラインに間に合いません」みたいな「現在地がどこで、行きたいところがどこか」というのを常に説明して見せていくんです。なので、そういった部分は気をつけてますね。

編集部:じゃあ、曽根原さんがロードマップやマイルストーンみたいなものを作って、メンバーにはそれに沿って動いてもらうわけですね。とはいうものの、各個人にプライオリティがあるわけじゃないですか。そことチームのプライオリティはどうマッチさせていくんですか?

曽根原さん:そこは会社にもよるんですが、Smuleの場合はそのプライオリティ付けが全てPMに任されてるんです。なので、例えばPMが今週やるべきことはこれみたいなテーマを決めて、メンバーたちは基本的にそれに沿ってやっていくという感じです。

編集部:PMがみんなのベクトルを揃えていくと。ちなみに、そういった中でコミュニケーションエラーって起きたりしないんですか?

曽根原さん:何度かありましたね。僕の説明の仕方が甘かったり、ちゃんと理解してるかを確認してなかったり、もしくは向こうが勝手に解釈して本来やらなくていいことをやり始めちゃったり…そういうこともあるので、出来るだけクリアにハッキリと伝えることは大事ですね。

壁にはメンバー同士で感謝を伝えるボードがあり、
曽根原さんの名前も発見!

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