フリーランスデザイナーの可能性を最大化する

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働き方改革が叫ばれる昨今、働き方は企業への依存から個人のスキルやプロジェクトベースに移り変わってきている。それはプロダクトの印象を大きく左右するデザイナーも同じである。

フリーランス人口は年々右肩上がりに増えている一方、収入や仕事の不安定さを心配する人も多い。企業側も気軽にアウトソーシングする機会は増えているが、人による得意・不得意もあり、クオリティやオペレーションにはまだまだ課題が残っている。

今日は、そんなフリーランスデザイナーと企業のアウトソーシング問題を新たな手法で解決しようとシリコンバレーで挑戦する「Zypsy」のUIエンジニア・デザイナーの橋本和宏さんに「Zypsyに掛ける想い」をお伺いしました。

▼本記事の内容 [全6ページ]
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[#1] デザインチームのアウトソーシング

[#2] Zypsyのポテンシャル
[#3] Macに魅了されデザイナーの道に
[#4] スケールする企業の共通項
[#5] 港区マンションからドラえもん生活
[#6] 今後のキャリア観 / メッセージ
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橋本 和宏 (Kazuhiro Hashimoto):
学生時代に通信会社の研究所でGraphic DesignerとFlash Developerを務め、2010年から面白法人カヤックでUIデザイナーを務める。2014年よりフリーランスデザイナーとして独立し、2018年にZypsyに参画。これまでにGood Design賞をはじめ、海外の広告賞など様々な受賞歴や出版歴を持つ。フリーランス時代には、東南アジアを旅しながら仕事をするという理想的な働き方を実現している。

デザインチームのアウトソーシング

編集部:早速ですが、11月5日にリリースされたZypsyとはどういったサービスなんですか?

「Zypsy」が総額48万ドルの資金調達を実施 | THE BRIDGE

橋本さん:Zypsyは、世界中のフリーランスデザイナーを集めたコミュニティから即座にデザインチームを編成してデザインの仕事依頼ができるデザイン特化のアウトソーシングサービスです。

ZypsyのSlackにはアメリカ、カナダ、スペイン、ドイツ、ウクライナ、ナイジェリア、トルコ、インド、ベトナムなど、年齢や国籍も様々なデザイナーが常駐していて、こうしたネットワークを利用して迅速かつ効率的なアウトソーシングができるようになっています。

Zypsyを使えば世界中の優秀なデザイナーたちから編成された
デザインチームに仕事が依頼できる。

編集部:企業のデザインチームを丸ごとアウトソーシングできるわけですね。そのチーム編成の仕組みはどうなっているんですか?

橋本さん:まずはZypsy側がクライアントのプロジェクト状況をヒアリングして、そこに最適なデザイナーたちを招集します。現在はこのチーム編成の過程を瞬時にできるような仕組みを作っています。

また、既存のエージェンシーや制作会社と違い、大量のプロジェクトを同時に進められるよう、プロジェクトオンボーディングまでの契約、決済、プロジェクト進捗報告、納品、スケジュール変更などのプロセスを一括管理できるツールも開発しています。

編集部:資金調達からリリースまではどういった流れだったんですか?

橋本さん:2018年3月に資金調達するまでは、サービスの構想を練ったり、ピッチデックやサイトのランディングページを準備していました。会社をスタートさせてから半年間はサービスの設計とポートフォリオ作成のために新規クライアント案件の対応をしていましたね。

編集部:そして先日、本格的にサービスをリリースしたわけですね。

フリーランスの可能性を最大化したい

編集部:そもそも、なぜこのサービスを作ろうと思ったんですか?

橋本さん:僕はフリーランスデザイナーを長く続けて来たんですが、創業初期のスタートアップにありがちなデザイナー不在問題を何度も目の当たりにしてきたんです。

例えば、外部のデザイナーを雇ったとしても、デザインファイルだけが納品されて、そのあとの実装までのプロセスでデザイナーが不在だったり、そのファイルがめちゃくちゃでスタイルやインタラクションの実装に時間が避けないというケースもあったり。

また、海外の優秀なデザイナーをリモートで雇おうとした場合、コミュニケーション、予算、スケジュールの面で発注が難しいケースも多く、このような課題は僕を含め関わってきたスタートアップや企業が抱えていたんです。

編集部:なるほど、自分自身がそこに課題を感じていたんですね。

橋本さん:ならば、比較的安い予算で、世界中にいる優秀なフリーランスデザイナーたちのチームを編成して、すぐに仕事が発注できるようなプラットフォームを作れば世の中のニーズとマッチするのではないかとZypsyの創業に至ったわけです。

また、CEOの玉井和佐が一時期フリーランスのUberドライバーをやっていて、Uberがドライバーの働き方に合わせて収入をコントロールできるのに衝撃を受け、UberのようなUXを生み出したいと思ったのもきっかけです。

左が橋本和宏さん、右が玉井和佐さん

毎月どれくらい稼げるかが分からないのはフリーランスにとってすごく不安なんですよね。それにUberは自分の空いた時間に働ける。僕たちはZypsyを通してUberのようにフリーランスデザイナーの可能性を最大化させられるサービスを作りたいと思ったんです。

編集部:デザイナー側の収入の不安をなくしつつ、優秀なデザインチームを即座に編成して企業側の課題もクリアにしていくと。

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